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国際モータージャーナリスト「ライオンのひと吠え」


XC60リチャージには、アクティブシャシーシステム「FOUR-C」とエアサスペンションが標準装備される。全長4690cm、全幅1900cmの寸法で割と重めの2180kgという車重をサポートするために、サスペンションは少し固めに設定されているけど、ハンドリングは素晴らしい。ステアリングのフィールも手応えがあって、コーナーでは綺麗にラインをトレースしてくれる。

ターボやスーパーチャージャー付きのエンジンの総合出力は、318psに対して、フロントモーターは46ps、リアモーターは87psを出している。8速ATと組み合わさったこのパワーユニットの総合的な出力は400psを超えている。12.2kWhのバッテリーもついているけど、アクセルを踏むと、力強いパワソースを持つ中型ワゴンというより、まるでスポーツカー的なパンチ力があって、気持ちがいい。

0−100km/hの加速は5秒ほどと、このセグメントでは速い方だ。やはり、スーパーチャージャーがついているので、アクセルを踏んでから、実際クルマが加速し始める時のいわゆるターボラグがない。出だしは爆発的かつスムーズだ。87psを出す電気モーターが後輪に駆動を送っているけど、そのトラクションが思い切りかかると、XC60のグリップ力が凄まじい。

横から見たXC60

燃費はWLTCモードでは12.6km/Lとされているが、家族を乗せたりするリアルワールドでは10km/Lほどだ。また、電気モーターだけで走行するEVモードでは、WLTC値で40.9km走行できると言われているけど、リアルワールドでは35kmぐらい。バッテリー残量が減ると、エンジンとモーターを併用して走行する。

ドライブモードは5つあって、切り替えができる。「PURE」では電気モーターが優先され、「POWER」ではエンジンとモーターが最大限に共に働いて非常に力強い加速をしてくれる。デフォルトモードというか、通常は「HYBRID」になっていて、自動的に効率のいい作動状態を選んでくれる。いちいちモードをいじらないドライバーが多いだろうから、デフォルトの「HYBRID」モードならスムーズさと静粛性のレベルは高い。

振動はよく抑えられている。高速巡航ではエンジン回転数も低いので、室内に入ってくるノイズは最小限だ。ボルボには48Vマイルドハイブリッドシステムの搭載車もラインナップに入っているけど、このXC60リチャージPHEVは見るからに一段上の上質感と走りを誇っている。

同車はオフロードでも問題なく悪路を走るために、車高を26.7cmまで伸ばすことができる。高速道路では「全車速追従機能付きACC(アダプティブ・クルーズコントロール)」と「パイロットアシスト」という機能がついているので、安心に走行できる。衝突回避被害軽減ブレーキや歩行者・サイクリスト検知機能などの先進安全装備や運転支援機能が標準装備されていることは嬉しい。

このXC60リチャージ・プラグインハイブリッドT8 AWDインスクリプションは、僕から見ると、理想のワゴンに極めて近い。この上質で高級感あふれるルックス、クラストップの室内、スポーツカー的な加速性とハンドリングなどをとても高く評価するけど、燃費と949万円からの価格という難点を乗り越えられたら、ぜひおすすめしたい一台だ。

国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
「ライオンのひと吠え」過去記事はこちら

文=ピーターライオン

ボルボ
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