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ライバルも注力するホームセキュリティ


欧米では防犯を主な目的としたストリーミングカメラと、クラウドを活用する遠隔監視サービスに一定の高い需要がある。むしろ住宅への侵入窃盗を防ぐためのIoTデバイスからスマートホームへの関心が高まり、新しい技術やサービスが次々に生まれてきたとも言える。

ホームセキュリティ用途のスマートデバイスとサービスにはGAFAのライバルも注力している。

アップルには独自のスマートホーム向けプラットフォームの「HomeKit」があり、サードパーティがこれに対応するストリーミングカメラを商品化している。日本でもいくつか入手可能なものがある。デバイスのコントロールや通知の管理はiPhoneの「ホーム」アプリを経由して行われる。機器によっては外出先からiPhoneを使ってカメラの映像をチェックするといった使い方もできるようだ。

また今秋からは「Apple TV」を介して、宅外に設置した複数のストリーミングカメラの映像を、リビングに設置した大画面テレビで一斉に見られるようになる。


Apple TVを接続すると、複数のカメラのライブ映像が確認できる機能を今秋からtvOSのアップデートにより追加する

アマゾンは2018年4月12日にホームセキュリティデバイスのメーカーである米Ring社を買収した。昨年秋にはカメラ付きドローンを飛ばして不在の宅内をパトロールできる新しいタイプのスマートデバイス「Ring Always Home Cam」を発表して話題を呼んだ。

残念ながらアマゾンのセキュリティデバイスが日本に上陸するという、うわさはまだ聞こえてこない。


アマゾンが2020年秋に発表したホームセキュリティ用のドローン「Ring Always Home Cam」

日本では防犯よりも「家族の見守り」用途を前面に押す


今回グーグルが日本に投入する3つのNestシリーズは、米国など海外で先行販売されてきたモデルをブラッシュアップした新製品だ。1080p解像度の動画記録、双方向通話機能など前世代の機種からハードウェアの仕様を継承しつつ、ソフトウェアはカメラによるオブジェクト認識の精度向上などを図ってきた。

例えば、ストリーミングカメラは人物/動物/自動車、スマートドアベルはこれらに加えて荷物の自動認識ができる。荷物の認識が求められた背景には、最近は日本国内でも犯罪被害が増えつつあると言われる「置き配盗難」を未然に防ぐ目的もあったようだ。


屋外の映像を室内に設置したGoogle Nest Hubシリーズのスマートディスプレイを使って確認できる

グーグルは今回のスマートドアベルとストリーミングカメラを初めて日本に導入するため、事前に入念な市場調査を行ってきた。その結果、日本では欧米ほど防犯目的でこれらの遠隔監視機能を持つスマートデバイスを使いたいという声が少ないことがわかったという。

代わりに、留守中も小さな子どもやペットの様子を出先から確認したり、離れて暮らす高齢の家族を見守るためにセキュリティデバイスを使いたいという期待が高かったことから、グーグルは防犯よりも「家族の見守り用」のスマートデバイスとして日本でNestシリーズの新製品をプッシュする考えだ。

ただし、欧米と日本ではやはり住宅事情や生活習慣もかなり異なるため、グーグルはもう一歩踏み込んでNest新製品のローカライズに注力する必要があるだろう。

文=山本 敦

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