AP通信によると、提訴された銃器メーカーはスミス・アンド・ウェッソン・ブランズ、バレット・ファイアーアームズ・マニュファクチュアリング、ベレッタUSA、コルツ・マニュファクチュアリング・カンパニー、インターステートアームズ、グロックなど。
メキシコ政府側は、これらの企業は自社の商慣行が銃器の不正取引を助長していることを認識していると主張。密輸された銃器はメキシコ国内での1万7000件にのぼる殺人につながったとしている。メキシコ政府は国境地帯の自国側で銃器の販売を厳しく規制している。
メキシコ外務省はAP通信に、メキシコに違法に流入している武器の7割は米国製と推定されると指摘している。
メキシコ政府は少なくとも100億ドル(約1兆1000億円)の損害賠償を求めているが、裁判所に提出した文書のなかでは目標はあくまで銃器の不正取引を終わらせることにあるとしている。
メキシコのマルセロ・エブラルド外相はAP通信に「殺人を減らすことが優先事項だ。米国の法律の改正をめざしているわけではない」と述べている。
同通信によると、メキシコの2020年の殺人件数は約3万6000件を記録した。10万人あたり29人が殺害された計算になる。
メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領は2019年に、麻薬組織を通じて米国から流入する違法な銃器の取り締まりに優先的に取り組む方針を示していた。