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米国証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長(Photo by Brendan Smialowski/Getty Images)

米国証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー委員長は8月2日のテレビ番組で、「ヘッジファンドなどの大物トレーダーが市場を操作しているのではないか」という一般投資家の疑問に応え、SECが厳しい監視の目を向けていると述べた。

ゲンスラーは、「ダークプール」と呼ばれる機関投資家が利用する取引所の動向についても、注意していると述べた。CNBCの番組Squawk Boxでゲンスラーは、個人投資家の取引が増えていることを前向きに受け止めており、SECは市場の透明性を高めていくと述べた。

先週からツイッターに参加しているゲンスラーは、Redditに集うフォロワーの意見にも耳を傾けており、機関投資家が利用する「ダークプール」に特別な懸念を示している。

ダークプールは合法的な仕組みではあるが、少数の機関投資家を有利にする性質があるため、以前から規制当局や個人トレーダーたちが、懸念の声を上げていた。

ゲンスラーは近年、個人投資家の取引が増加する中で、ダークプールが勢いを増していることを指摘し、「SECは市場の操作や詐欺行為を防いでいく」と述べた。

今年1月に市場のボラティリティーがピークに達したときにゲンスラーは、ニューヨーク証券取引所のような公的な取引所で行われる取引は、全体の一部であり、取引所の外の卸売業者による取引が約38%を占めていると述べた。さらに、そのうちの大部分がわずか7社によって行われていると指摘した。

ゲンスラーはさらに、「このような市場の集中は、健全な競争を阻害し、仮に大手が破綻した場合は、市場全体のリスクが高まる」と述べていた。

アルケゴスも利用したダークプール


ダークプールは、今年4月に投資会社アルケゴス・キャピタルの200億ドル規模の破綻が市場を揺るがした後、議員たちの注目を集めた。当時、エリザベス・ウォーレン上院議員(民主党)は、「アルケゴスメルトダウンは、未規制のヘッジファンドや不透明なデリバティブ取引、ダークプールでの取引、高いレバレッジなどの、すべての危険な要素を備えていた」と述べていた。

ダークプールは、機関投資家が市場に気づかれずに大規模な取引を行うことを可能にする場所であり、古くから存在してきた。前SEC委員のルイス・アギラールは、2015年の報告書で「ダークプールは当初、略奪的なトレーダーから逃避先としてのメリットを打ち出した。これを実現した一つの要因は、ダークプールが、機関投資家を先回りする超高速取引(HFT)の業者たちを締め出したことだった」と述べていた。

編集=上田裕資

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