本稿では、最近移住者が急増している大軽井沢経済圏(本稿では、軽井沢を東京からのゲートウエイとした周辺自治体を一つの経済圏ととらえ、大軽井沢経済圏と定義している)や北陸新幹線沿線の移住者・団体企業のトップ、自治体のトップの方に新しいライフスタイル、ワークスタイル、新しい価値観、地方創生、観光戦略などのテーマでインタビューしている。
今回は、阿部守一長野県知事に、「豊かなライフスタイルの実現と信州リゾートテレワーク」についてインタビューする。
長野県は、移住希望(15年連続。移住専門誌による調査)、女性の平均寿命、味噌の消費、野菜の摂取量、レタス・加工トマト・松茸・ブナシメジ・エノキ・ワイン用ブドウ・クルミ・はちみつなどの農業生産物、美術館・博物館の数、人口10万人当たりの別荘の数、ふるさと納税寄付件数など数多くの日本一がある県だ。
1997年には長野新幹線が高崎から長野まで開通、2015年には北陸新幹線となり金沢まで延伸、さらには2024年には福井県敦賀まで延伸が予定されている。首都圏と北陸と一本で結ばれ中継点としての長野県、今後観光産業、企業誘致、教育、交流人口増など様々な分野の成長が期待されている。
長野県は、2017年2月に「ライフスタイルデザイン国際会議〜人生100年時代への新しい生き方〜from NAGANO〜」というフォーラムを開催。知事は「地方創生」「人生100年時代」という二つのキーワードで、長野県に移住されて活躍されている方々とのディスカッションを通じ、人生100年時代への新しい生き方を長野県から世界に発信。
以来県は、世界有数の長寿地域で「人生100年時代」をどう生きるか、豊かなライススタイルの実現には長野県がふさわしいという強いメッセージを常に発信し続けている。
夏でも涼しい標高1400m蓼科高原 画像提供:蓼科東急ホテル
豊かなライススタイルを実現するためには、様々なワークスタイルがある。例えば、テレワークやワーケーション。長野県では、2017年よりテレワークを県庁・県内各自治体・県内企業で積極的に取り組んできており、ワーケーションも首都圏企業を中心に積極的に誘致してきた。現在、県内でテレワーク施設やワーケーション施設が80カ所以上(2021年7月末現在)設立している。
富士見森のオフィス外観(長野県諏訪郡富士見町)標高977mで夏は涼しい。リゾートテレワークには最適な空間だ。画像提供:富士見森のオフィス、津山壽文
富士見森のオフィス(長野県諏訪郡富士見町)吹き抜けの天井から明るい日が降り注ぐ、冬でも暖かい室内。新しいアイデアが生み出される。画像提供:富士見森のオフィス・TOMOHIRO YAMADA