ソリッドステートドライブ(SSD)は近年、ノートパソコンやデスクトップパソコン向けの主要なストレージとしての地位をハードディスクから奪いつつあるが、データセンターなどの商業用ストレージではまだハードディスクが使われており、SSDのコストは依然として高額だ。
しかし、Backblazeによると、SSDがハードディスクよりも長期的な信頼性が高いことが証明されており、大容量ストレージをSSDに切り替えることの魅力は高まっている。
Backblazeは最新の調査で、同社が使用している数千台のハードディスクドライブとSSDを、ライフサイクルの同じ段階で比較した。その結果、ハードディスクドライブの平均故障率が1.54%であるのに対し、SSDの故障率はわずか0.79%で、約2倍の開きがあることが確認された。
ただし、ここで気になるのは、SSDが古くなってもこのような信頼性を維持できるかどうかだ。SSDがBackblazeのデータセンターに導入されたのは比較的最近のことで、ハードディスクのように4年、5年と使い続けたときの信頼性を示す十分なデータは得られていない。
Backblazeの技術担当のアンディ・クラインは、「SSDは長期的に、その信頼性を維持できると確信している」と述べている。しかし、SSDの難点は、書き込み回数が限られていることであり、データを詰め込む傾向があるストレージファームにとってはそれが問題になるかもしれない。
「例えば500GBのSSDを購入して自宅で使用するユーザーは、容量の半分ぐらいしか使わないだろう」と、クラインは話す。つまり、その場合、ドライブの製造元のソフトウェアが同じセクターが常に上書きされないよう、保存されたデータを移動させることで、SSDの寿命を延ばすことができるのだ。
「しかし、我々のような企業の場合、ほとんどのセクターを使用するので、ある時点で故障率が上昇するかもしれない」と、クラインは話した。
SSDはハードディスクよりも交換が簡単
とはいえ、故障したSSDを交換するのは、故障したハードディスクを交換するよりもはるかに簡単だ。なぜなら、SSDはハードディスクよりずっと速い速度でデータを書き込むことが可能だからだ。故障したドライブを交換する場合、再構築やクローンの作成が必要になるが、近年はドライブが大型化しているため、再構築にかかる時間はどんどん長くなっている。
「SSDの再構築は非常に高速で行える。20テラバイトのハードディスクの場合、その処理には数週間もの時間が必要だが、20テラバイトのSSDなら2日もあれば再構築できるだろう」と彼は話す。
「そのような理由から、たとえコストが高くても、SSDに移行することは理にかなっている」と、クラインは語った。