米南部でコロナ感染の子供の入院が急増、要因にデルタ株とワクチン

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新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」の流行により、全米で感染者数と入院者数が懸念すべきペースで増加している。感染した子供が重症化したり死亡したりする例は依然として非常にまれだが、南部の州では、入院が必要になる例が急増しているという。

子供の入院者数が目立って増えているアラバマ、アーカンソー、ルイジアナ、フロリダ各州の主要な小児病院では、7月最終週、入院する子供の感染者がパンデミック発生以降、最も多くなった(「未成年」の年齢は州によって異なり、大半は0歳から17歳、または19歳まで)。

アーカンソー州リトルロックとスプリングデールで小児病院を運営するアーカンソー・チルドレンズ・ホスピタルでは、入院が必要な子供の感染者は過去に最も多かった時期と比べ、50%増加した。7月下旬の時点で入院していた24人のうち、7人が集中治療室に入っており、2人は人工呼吸器が必要な状態だった。

また、ルイジアナ州にあるニューオーリンズ小児病院では、集中治療室に配置するスタッフを増やすため、予定されていた手術を延期したという。

フロリダ州でもパームビーチ、セント・ピーターズバーグ、ジャクソンビルなど一部の地域で、同様の状況がみられている。さらに、アラバマ州では州全体で、子供の入院者数が今年1月以降、最も多くなっている。

ただ、子供の感染者数については、総合的なデータが定期的に更新されているわけではなく、こうした傾向が全米でみられているのかどうかについては、現時点では明らかになっていない。

米疾病対策センター(CDC)がまとめた最新のデータは6月上旬に更新されたもので、それによると、12~17歳の感染者の入院率は最も高かった今年1月3~9日の週で、10万人あたり2.1人だった。

また、米国小児科学会(AAP)が7月22日に発表した子供の感染者数と入院者数に関する週次報告によれば、入院者全体に占める子供の割合は、1.3~3.6%。感染により入院が必要になった子供の割合は、0.1~1.9%となっている(全州が定期的にAAPにデータを提供しているわけではない)。
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編集=木内涼子

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