オンライン授業に対する学生の拒絶反応、米調査で浮き彫りに

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学生の61%は、今年度受けた授業が全てオンラインだったと回答。3分の1は、少なくとも授業の一部がオンラインだったと答えた。つまり、全体の94%がオンライン授業を受けていたことになる。その結果、今年は学びの量が少ない割に勉強時間が増え、受けた教育の価値もあまり高くないという評価が下されたということだ。これはひどい結果だ。

だが、オンライン授業が大学生にとことん嫌われてしまったことは、単なる学びの損失や、2020年前半に相次いだ訴訟や授業料払い戻しにとどまらない長期的影響を生むだろう。オンライン授業へのネガティブな感情や評価が固定し、一般的な見解として定着してしまうと、オンラインのコースやプログラムの売り込みが難しくなる可能性が高い。

大学の指導部、さらには教授の一部も、オンライン学習と緊急措置としての遠隔指導の違いを強調するようになるだろう。実際、違いは存在する。

だがこれは、教授法の問題ではない。マーケティングの問題だ。ネガティブな反応を示している顧客が、この違いに気を払ってくれると期待するのは間違いだ。違いはおそらく理解されないだろう。あるレストランで注文した魚料理で食あたりになったとしたら、同じ店が出すステーキがおいしいという話を聞いても、またその店に行ってステーキを食べようと思うだろうか? その可能性は低い。

大学でのオンライン授業・コースは誕生当初、キャンパスで実際に学ぶプログラムをまねた質の悪い廉価版だとみなされていた。こうした認識は今ではかなり減ったものの、完全に消えたわけではない。もともとこうした風潮がある中で、大学生の94%が少なくとも授業の一部をオンラインで受け、その多くがこうした授業形式を嫌ってしまったことは、大きな問題を生むだろう。

問題の大きさは時間がたたなければ分からない。しかし、この問題は膨大な数の学生と巨額の金が関わるものであり、新型コロナウイルスの流行により学生がオンライン学習に嫌気がさしてしまったのであれば、甚大な結果を生む可能性もある。

編集=遠藤宗生

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