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EUは今年初めの時点では、十分な量のワクチンを入手することができず、加盟27カ国の接種率は、米国、英国、イスラエルのいずれにも、かなりの遅れをとっていた。

だが、接種率はその後、あっという間に米国に追いつき、追い越すまでになっている。ワクチンを巡る陰謀論やばかげた偽情報を信じる人は、米国より欧州の方が少ないのかもしれない。

こうした中、EUに限らず世界のどこにいたとしても、いま誰もが何より避けたいことは、ワクチン接種が進む勢いを押しとどめることだ。懸念されるのは、ワクチンの値上げが、接種プログラムの推進に悪影響を及ぼすことはないのかどうかということだ。

ファイザーもモデルナも、すでに新型コロナウイルスのワクチンから、かなりの利益を得ているはずだ。公衆衛生上の緊急事態が続く中、製薬会社は自らの利益だけではなく、あらゆる人たちの利益を重視する必要があるだろう。

パンデミックが長引けば、感染者も、死者もさらに増えていくことになる。それはあらゆる人に犠牲を払わせ、経済に負担を強い、最終的には、製薬会社に損害を与えることにもなりうる。

各国の公衆衛生当局がワクチンに関する誤情報や偽情報と戦い、パンデミックを収束させるのに十分な割合にまでワクチン接種率を引き上げようとする今この時点での値上げは、空気が読めない行動と受け止められるだろう。人々の間での信頼感の醸成を目指すなら、パンデミックのまっただ中でのワクチンの値上げは、最善のアイデアとはいえそうにない。

編集=木内涼子

新型コロナコロナワクチン

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