米疾病対策センター(CDC)は当初、完全にワクチン接種を終えていない人だけがマスクを着用することを推奨していた。(編集注:CDCは現在、ワクチンの接種状況にかかわらず高校最終学年まで(K-12)の全教職員や生徒、学校の訪問者に屋内でのマスク着用を推奨している)
人口4000万人以上のカリフォルニア州では、半数をわずかに超える住民がワクチン接種を終えている。同州は6月15日、新型コロナウイルス感染症に関するこれまでの規制を全て解除し、ワクチン接種を終えた人は屋内でもマスクを着用しなくてよいとされた。
しかし、感染力の強いデルタ株の流行や、集団免疫の獲得には程遠いワクチン接種率により、同州の7月末時点の1日の新規感染者数は昨年7月と同水準まで高まり、入院者の数も驚くべき速さで増えている。
ワクチンを接種していない人がマスクをきちんと着用しているかどうかを監視する手段が存在しないことから、ロサンゼルス郡はカリフォルニア州で初めて、ワクチン接種状況にかかわらず屋内でのマスク着用を再度義務化した。
フォーブスへの寄稿記事でブルース・Y・リー博士が報告したように、米国でマスク着用義務が再開されたことを受け、特にワクチン未接種者からは激しい議論が巻き起こった。
多くの人は、屋内でのマスク着用が、新型コロナウイルス感染症との闘いで大きく後退しているサインだと感じている。しかし、マスクの着用により、屋内では特にウイルスの拡散が抑えられることが示されてきた。また、マスクの着用には隔離の面でもメリットがある。
AAP広報担当者でカリフォルニア州カラバサスの小児科医であるタニア・アルトマン博士は先日、米CNNテレビに対し、学校が再開する中でマスクの着用が非常に重要になるだろうと指摘した。
またマスクの着用は、新型コロナウイルスに接触したことで対面での授業に及ぶ影響を最小限にとどめる、さらなる予防策になる。
アルトマンは次のように指摘した。
「CDCは隔離に関する指針に最近例外を設け、子どもが学校でマスクを着用していて、学校が他にも抑制のための対策を講じていれば、子どもが新型コロナウイルスに接触したときでも子どもを隔離する必要はないとした。マスクが非常に効果的なことが理由だ。これから始まる学年度の目標は、子どもを学校に戻し、子どもが学校で時間を過ごせるようにすること。子どもがいるべき場所は学校だ」