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英製薬大手アストラゼネカは、英オックスフォード大学と共同開発した新型コロナウイルス感染症ワクチンについて、米国で緊急使用許可でなく正式な承認を申請する方針を明らかにした。同社は米国でもまず緊急時の使用許可を求める意向だったが、米当局が求めるデータを集めるのに苦慮していた。米国で同社製ワクチンが使えるようになる時期はさらに遅れる見通しになった。

7月29日に発表した2021年第2四半期(4〜6月)の財務報告書に、年内に完全なかたちの承認を米当局に申請する予定だと記載した。アストラゼネカのワクチンはこれまでに複数の国で緊急使用が許可されている。同社は今年3月、米国での緊急使用許可の申請に向けて治験結果を公表したが、古いデータを用いていた可能性があるとして米当局から懸念を伝えられていた。

正式な承認を申請した場合、アストラゼネカ製ワクチンが米国で販売されるようになるまでには数カ月、場合によっては数年かかるかもしれない。新型コロナワクチンの正式承認は米ファイザーとドイツのバイオンテックも5月に申請しているが、承認が出るのは来年1月以降になる可能性がある。

もっとも、アストラゼネカにとって、ワクチンの接種が進んでいる米国の市場が最終目標というわけではなさそうだ。信頼性の高い米食品医薬品局(FDA)の承認を得られれば、ほかの国々での審査でも有利にはたらくと期待されるからだ。

アストラゼネカは第2四半期に新型コロナワクチンの売上高が9億ドル(約980億円)近くあったものの、同期に1300万ドル、第1四半期に4000万ドルの損失をもたらしたと報告している。

同社は、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が続いている間は、新型コロナワクチン事業を無利益で行うことにしている。

ファイザーは直近の四半期だけで新型コロナワクチンの売上高が92億ドルに達したが、アストラゼネカは今年上半期で11億7000万ドルにとどまっている。

編集=江戸伸禎

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