スポーツ賭博最大手の動き、英ギャンブラーは
ドラフトキングスは、現在14の州でスポーツ賭博を提供している。同社が賭けの対象を多数並べ、充実したベッティングラインを用意したのは、今年初めてオリンピックを対象にできるようになったからだ。
「バスケットボールは手堅いですし、サッカー、ゴルフ、テニス、卓球などもうまくいくはずです」と述べるのは、ドラフトキングスの競馬&スポーツ賭博部門代表であるジョニー・アヴェーロ氏。しかし、一番人気のある男子バスケットボールのアメリカ代表戦であっても、レギュラーシーズンのNBAの試合を超えることはないだろうと話す。
7月25日、さいたまスーパーアリーナで行われたバスケットボールの試合。米国のケルドン・ジョンソンとフランスのティモテー・ルワウ=キャバロ。 (Getty Images)
同社は人気スポーツだけでなく、バドミントンやハンドボール、柔道、サーフィンなどあまり目立たないスポーツに対するオッズも打ち出し、マーケットを試すことも忘れていない。
大西洋の向こう側のイギリスでは、政治とスポーツを専門とするプロのギャンブラー、ポール・クリシュナムルティ氏が、驚くべき金額を生むものとしてオリンピックを除外するつもりはないと述べている。
「あるアスリートがメダルを3つも4つも狙っていて、それが世界的に注目されるイベントになった場合、莫大なお金を惹きつけるだろう」と彼は語る。
クリシュナムルティ氏の予想では、大きな単独イベントでは500万~1000万ドルのお金がひとつのスポーツブックメーカーに流れ込むが、各オリンピック競技の賭け金を合算すると、いずれのメーカーでも1億ドルを超えるだろうとしている。
五輪ギャンブルのこれまでと今後
オリンピックに賭け事を持ち込むことは、目新しいわけではない。古代ギリシャの人々は、スポーツの祭典に賭けていたようだ。また、パナマにある無許可のオフショアギャンブルサイトBetOnlineは、20年にわたってオリンピックに対する賭け金を受け取っている。
「これまでは、メジャーなスポーツだけにベッティングラインを提供してきましたが、今はできる競技はすべて提供しています。新体操、アーティスティックスイミング、それからアーチェリーまであります」とBetOnlineのスポーツブック・ブランドマネージャーのデイブ・メイソン氏。「これまで以上に力を注いでいますよ」。
オリンピックの賭け金の上限は1000ドルで、NFLの5万ドルよりも低く設定されているが、盛夏のギャンブルは大歓迎だ。
「特に1年のこの時期であれば、我々にとっては良い追い風になりますね」とメイソン氏。「ベッティングラインの担当者は休暇を取り、マーケティング部門はNFLの準備中。オリンピックはありがたいイベントで、もうニッチなイベントなんて言えませんね」。