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8月8日、東京オリンピック閉会式 ( Photo by Vincent Kalut / Photonews via Getty Images)

高い感染力を持つウイルスの問題などの下馬評を覆し、東京オリンピックは無事開催され、そして閉幕した。何百万ものアメリカ人にとって、今回のオリンピックはモバイル端末から賭けを張ることが初めて可能になった。その背景には、アメリカでは合法のスポーツ賭博が広がりを見せ、現在、21州で合法化されていることが挙げられる。

しかし、ほとんどの場合、アマチュアギャンブラーがアメリカ代表選手団の獲得する金メダル数や、バスケットボール女子アメリカ代表チームがどうやって1位を獲得するかに賭けている程度だ。玄人は、夏のスポーツに手を出さないのが定石なのだ。

オリンピックが孕む多くの「不確定要素」


「プロのギャンブラーは、オリンピックには賭けないようにしますね。どこまで賭けるべきか真のエッジが見えないとわかっていますから」とラスベガスで20年近く暮らすベテランのスポーツギャンブラー、ビル・クラッコンバーガー氏は語る。

オリンピックはあまりにも予測不能な要素が多く、やり手のギャンブラーには魅力がない。バスケットボールや野球、サッカーのようなチームスポーツで代表に選ばれた選手たちはほとんどの場合、一緒にプレーしたことがなく、データや過去のパフォーマンスを元にして賭けることが難しい。さらに、今年の新たな不確定要素として、新型コロナウイルスが選手村の周囲にも蔓延しているため、選手またはチーム全体が棄権する恐れもある。

東京オリンピック大会組織委員会事務総長の武藤敏郎氏は、7月20日に、新型コロナウイルスの感染拡大によりオリンピックが中止になる可能性を排除しないと述べた。

「愛国心」が仇となる?


ニュージャージー在住のギャンブラー、ラリー(姓は非公開)は、アメリカの男子バスケットボール代表チーム、男子サッカー代表チーム、女子サッカー代表チームの金メダル獲得数予想にいくらかを賭けたが、オリンピック自体にはそれほどの興奮はないと言う。

「退屈しのぎに賭けてるぐらいかな」とラリー。オリンピックに数百ドルを賭けているが、たいした額ではない。特に、NFLのレギュラーシーズンで1ゲームあたり250~500ドルを賭けることに比べたら、はした金である。ファンデュエル(FanDuel)やドラフトキングス(DraftKings)のようなアプリ(両アプリとも、自分の好きな選手を集めて架空のオリジナルチームを作るシミュレーションゲーム「ファンタジースポーツ」産業の最大手)よりも、非合法のブックメーカーを好むラリーは、オリンピックならではの側面があると言う。それは、ギャンブラーの目を曇らせる「愛国心」だ。


8月1日、体操女子段違い平行棒のメダリストたち。左から銅メダリスト、米国のスニーサ・リー、金メダリスト、ベルギーのニナ・デルワエル、銀メダリスト、ロシアのアナスタシア・イリアンコバ(Getty Images)

「オリンピックとなると、感情と誇りが渦巻き、それ以外は隅に追いやられてしまう。NFLのシーズンが来たら、攻めの賭けを再開するつもりだよ」と続けた。

翻訳=上林香織 編集=石井節子

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