経済・社会

2021.08.02 17:30

米大学、学生へのコロナワクチン接種インセンティブを続々導入

Vera Tretyakova / Shutterstock.com


アラバマ大学
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同じ週末、アラバマ大学は、新型コロナワクチンを接種した今秋入学予定の学生に対し、現金のインセンティブを提供すると発表した。8月28日午後5時までにワクチンの初回接種を受けたすべての学生に対して、キャンパス通貨の一種である「Bama Cash」20ドル分が支給される。

効果のほどは?


新たなインセンティブプログラムは、ワクチン接種の義務化の代わりに実施されることが多い。大部分の公立大学(とりわけ、州知事や州議会の多数派が共和党である州の大学)は、接種の義務化に消極的なのだ。

だが、インセンティブプログラムの効果は未知数だ。ボストン大学が行った最近の研究では、オハイオ州が行った宝くじによるインセンティブ「Vax-A-Million」と、成人の新型コロナワクチン接種率の上昇のあいだに相関関係は見られなかった。ただし、キャンパスで実施されるプログラムは、ターゲットが絞られており、均質性の高い対象者向けに計画されているため、より大きな効果が見込めるかもしれない。
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しかし、ワクチン接種への躊躇、忌避、拒絶という大きな障害が依然として存在し、またワクチンに関する誤情報がいまだに流布するなかで、インセンティブはベストな解決策とはいえないかもしれない。

20以上の有名大学に支部をもつ学生主体のネットワーク「COVID Campus Coalition」が実践しているような、学生主体の情報共有や呼びかけのほうが、長期的には大学生に予防接種を受けてもらううえで、より効果が高いだろう。COVID Campus Coalitionは、インスタグラムやTikTokなどのソーシャルメディアを通じてワクチンに関する正確な情報を広め、学生たちに「事実を知って、ワクチンを打とう」と呼びかけている。

学生が運営する情報共有キャンペーンか、ワクチン接種インセンティブか。あるいはその両方か。どの方法をとるにせよ、各大学は、どのような介入がどういった状況下で最も効果を発揮するのかに関して研究を実施する絶好の立場にある。そこから得られるエビデンスは、高等教育や国家が、依然として深刻な公衆衛生上の危機である新型コロナウイルスのパンデミックの現状に対処するうえで、きわめて有益なものになるだろう。

翻訳=的場知之/ガリレオ

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