婚活、私室拝見──。TikTok公開された「五輪選手村」の内情

シモーン・バイルス (c) Getty Image

世界の人々がオリンピック競技に釘付けになっている一方、東京で熱戦を繰り広げる多くの代表選手たちは、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」で大会期間中の選手村での様子をフォロワーに公開し、たびたびバズっている。

ベッドでジャンプ、婚活行動、私室の散らかり方──


■ 最初に代表選手がバズらせたネタは、選手村のベッドで飛び跳ねる様子をTikTokに投稿した動画だった。選手たちはセックス禁止、しかもコロナウイルス感染防止の規則を守らせるためにベッドフレームは段ボールで作られている、という噂が広まったあとのことだ。

男子バスケットボールのアルゼンチン代表選手であるフランシスコ・カファロとタヤベク・ガイシが動画で証明したとおり、ベッドは見た目よりも頑丈にできている。

■ もうひとり、このプラットフォームを沸かせたのは男子飛び込み競技のアメリカ代表選手で、18歳のタイラー・ダウンズだ。彼は、同じくアメリカ代表選手団のメンバーで、体操界の女王であるシモーン・バイルスに「大会期間中に会いたい」と親しみを込めた動画を投稿したのだ。

■ 7人制女子ラグビーのアメリカ代表選手、イローナ・マーは、自身のTikTokアカウントに、オリンピックの舞台裏を撮影したさまざまな動画を投稿している。結婚相手の候補として「背が高くて、心から尊敬できる外国人」。選手を捕まえるべく選手村を物色する様子や、アメリカ選手団に提供されたラルフローレンやナイキのウェアを紹介する動画もある。

■ 女子フェンシングのアメリカ代表選手、コートニー・ハーリーは、同じくフェンシング選手で実姉のケリー・ハーリーとシェアしている選手村の部屋の動画を投稿した。姉妹それぞれのスペースがどれくらい片付いているか、その差が明かされている。

■ 競泳女子のアメリカ代表選手、レーガン・スミスは、チームメイト数人と都内のプールでの練習中に空き時間を利用して、昨年バズった「幼児の水泳レッスン中に、赤ちゃんをプールに投げ込む」という動画を冗談半分で再現した。


競泳100m背泳で銅メダルに輝いたレーガン・スミス(Getty Images)

■ 水球女子のオーストラリア代表選手、マティルダ エミリー・ケアーンズは、同国の女子ラグビー選手が投稿したアスリートのヘアスタイルに関する動画に対して、水上競技選手が身に着けるぴちぴちのスイムキャップをネタにして返した。

「コロナ五輪」の歴史的資料に?


オリンピック代表選手によるTikTok動画は、異例の会期中における選手村の様子を視聴者に伝えてくれる。開催地の東京では新規感染者の増加が報告されており、選手たちは定期的に検査を受け、新たな感染を防ぐための厳しい規則に従っている。

主催者側の発表によると、7月28日までにコロナ感染したオリンピック関係者は169人に上ったという。直近ではゴルフ男子の代表選手であるスペインのジョン・ラームとアメリカのブライソン・デシャンボーが新型コロナウイルス検査で陽性と判定され、欠場することになった。

今回の動画群、コロナ下で開催されたオリンピックの「舞台裏」記録として、歴史に残るものになるかもしれない。

翻訳=神原里枝 編集=石井節子

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