しかし、現在米国議会で審議中の5500億ドル(約60兆3400億円)を道路や橋、インターネットなどに投資するインフラ包括法案には、暗号通貨業界への課税強化により、280億ドルを調達する計画が含まれているため、トレーダーの間に警戒感が広がっている。一部ではこの法案が、暗号通貨業界を「殺す」可能性があるとの指摘もあがっている。
暗号通貨業界に詳しい弁護士のJake Chervinskyは7月31日のツイートで、この法案が急成長中の暗号通貨業界に打撃を与えることになると述べた。
7月20日に上院の予備投票を通過したこの法案は、米国のインフラ投資の資金調達のために、ビットコインなどの暗号通貨の利益に課税することを提案するものだ。暗号通貨の取引所やウォレットのプロバイダーらは、現状のレベルを大幅に上回るユーザーのデータを収集し、当局に報告することが求められるという。
Chervinskyによるとこの法案はまだ変更される可能性があるが、新たな規制が「米国における暗号通貨のマイニングの、事実上の禁止につながる可能性もある」と指摘した。
ここ数カ月で、中国の暗号通貨のマイニングが規制されたことで、米国が新たなマイニング拠点として浮上しつある。しかし、暗号通貨の採掘が気候変動を加速させる可能性を危惧する米国の議員は、この業界が米国で成長することに不満を抱いている。
暗号通貨の専門家たちは、今回の法案の規制対象にマイニング向けのハードウェアやソフトウェアを提供する業者が含まれる可能性を危惧している。
暗号通貨のシンクタンク「Coin Center」のJerry Britoは、「今回の草案は、規制対象があまりにも広く、ユーザーの取引を全く把握していないソフトウェアやハードウェアの業者も対象となる可能性がある」とツイッターで述べている。