感染者の大部分は、ワクチン未接種の人たちだ。だが、2回の接種を完了した後に感染する「ブレイクスルー感染」も発生しており、わずかながら、こうした感染によって入院、死亡するケースも報告されている。
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ただ、専門家らによれば、こうした例はごくまれなものであり、これまでに接種が進められているワクチンは、デルタ株に対しても十分な効果を保っているという。
こうした現状とワクチンの有効性について、現時点で分かっているのは、どのようなことだろうか──。
1. デルタ株はさらに危険?
現在のところ、デルタ株が従来株(武漢株)やその他の変異株より重症化の可能性を高めているとはみられていない。だが、感染力は武漢株の2倍近くに強まったとされている。
これは、デルタ株が変異によってヒトの免疫系から逃れる能力を高めたことが、理由のひとつだとされている。また、デルタ株の感染力が強いのは、感染者の鼻や喉で確認されるウイルス量が大幅に増加しており、さらに他の人にうつしやすくなっているためだとされる。
さらに、デルタ株は感染後の潜伏期間が短くなったとみられている。つまり、感染した可能性がある人を追跡して特定することが、より困難になったということだ。
2. ワクチンに問題がある?
──そうとは考えられていない。米国ではこれまでに、1億6380万人以上がワクチン接種を完了しているが、そのうちブレイクスルー感染して入院した人は、死亡した人を含めて6000人未満だ。
重症化するのは、高齢者や免疫不全の人が大半とみられてり、75%が65歳以上となっている。ワクチン接種を完了しても再感染して重症化する確率は、今のところ非常に低く、米疾病対策センター(CDC)は、ブレイクスルー感染しても無症状だという人を確認するためのデータ収集を停止している。