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──「キコキカク」は派手で奇抜な演出が注目されてますが、水原さんとはどんなやりとりがありましたか。

これまで私が手がけてきた、私のポップな面を前面的に出した作品を可愛いといってくれて。なので「これを作ってほしい、あれを作ってほしい」というわけでもない。とはいえ、意見はもちろんあって、希子ちゃんも好きなものがはっきりしていて。

自分自身のこだわりもあるけど、選んでくれた相手だから作りたいものを擦り合わせる中での“揺れ”は平気だった。相手側も予想していなかったものが出てきても、それがもし本当によかったら、「いいね。それ使おう」みたいな姿勢があります。

今までのクライアントワークだとどうしても「この表現はこういう誤解を生むかもしれない」とか「この表現は自分が見たことがないし、判断のしようがない」みたいな。わからないものは受け入れたくないという決定者がいましたが、今年は何をやっても受け入れてくれる人が多くて。それがよかったですね。


水原希子企画・主演、Amazon Prime番組「キコキカク」タイトルとキャラクター

──これからの目標があれば教えてください。


ひとつの軸は、人に寄り添って表現したいことを手伝いたい。自分の表現の力によって、その人の表現が増幅していくのを見てみたい。もうひとつの軸は全く違って、私が見たいものを私の気持ちだけで作りたい。その両方をうまくやっていきたいですね。そのための仕事のチューニングは必要だなと。

──作家としての側面とアートディレクターとしての側面、両方を引き伸ばしたいんですね?

そのためには、アーティスト/アートディレクターとしての両面を受け入れてくれる人を増やさないといけないから。今までよりも個人作品をいっぱい作って、自分の方向を示していく。そこから私の作った物自体を受け入れてくれるような仕事が増えていって、個人制作と仕事の境目がはっきりとしたものではなく、もう少しグラデーションになっていくことが現状の目標です。

わざわざ東京の仕事が減るリスクを冒してまで、ベルリンに来たのならもっと自分色を出していきたい。個人の作品制作もアートディレクターの仕事も続けていくなかで、そういう風になっていきたいですね。

平野正子

平野 正子
◎2019年よりベルリン・東京の2拠点で活動。アートディレクター/グラフィックデザイナーとしてReebokやラフォーレ原宿などの企業や商業施設のキャンペーン広告、水曜日のカンパネラ、Tohjiなどのミュージシャンへのビジュアル提供といったコミッションワークなどを手掛け、ジャンルを超えた活動を展開している。近年は3DCGを用いた作品を制作し、CGIと自身のポートレートを組み合わせポップかつキッチュな作品を生み出している。masakohirano.com  IG : @cokepoteto 現在、日本橋にあるDDD HOTELに敷設されたギャラリーで国内外のアーティストによるセルフポートレート展に参加中(8月29日まで)。

文=冨手公嘉 写真提供=平野正子

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