ビジネス

2021.08.01 12:30

米国人を監視するイスラエル企業「パラゴン」の謎めいた実態


米国人を標的とする調査活動


トロント大学マンク校のシチズン・ラボの上級研究員であるジョン・スコット=レイルトンは、パラゴンのビジネスの目的が、「米国の機関が米国人をターゲットとする調査を支援すること」であるのならば、注視する必要があると述べている。

「米国人は、彼らの顧客が誰なのかを知る必要がある。セキュリティ業界で密かに運営されている企業が、人権の保護に気を配っていると主張する場合、実際にどのような事が行われているかを、私たちは過去の経験から知っている」と、スコット=レイルトンは述べた。

米国のVCの出資を受けるイスラエル企業は他にもある。法執行機関がアマゾンのエコーなどのデバイスからデータを取得すること助けるTocaは、2018年に1250万ドルをデル・テクノロジーや、アンドリーセンホロヴィッツから調達していた。

一方、NSOの場合は、英国のNovalpina Capitalが経営権を取得するまでは、米国のプライベートエクイティ企業のFrancisco Partnersが株式の過半数を所有していた。

パラゴンの幹部には、サイバーセキュリティ業界の攻撃側と防御側の双方に勤務した経験を持つ人々が居る点でも興味深い。同社のCEOのNurickは、AI(人工知能)でハッカーを追跡するスタートアップHunters.aiの共同創業し、マイクロソフトの投資部門M12の出資を受けていた。

また、Schneorsonは以前、電話機のハッキングを暴いたことのあるセキュリティ企業ZecOpsの顧問を務めていた。

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事