実は、日本では黒シートxダークウッドが7割以上のユーザーが選ぶ一番のコンビネーションらしい。子供が汚しても目立たないからだそう。でも、僕は明るいクリーム色のシートとライトブラウン色の木目調の方が開放感と高級感を思い切り感じる。ちなみに、欧米の客、特に女性ユーザーなら7割以上の人はクリーム色のシートを選ぶ。
さらに、もう一つの特徴は、大型タッチスクリーン、ドライバー前の綺麗なデジタル・モニター、それに触り心地に優れたスイッチ類。忘れてならないのは、ドライバーと助手席のヘッドレストに内蔵されたBOSE製のスピーカー。乗員の音楽の好みに合わせて、これらのスピーカーの音量を小まめにチューニングできて気持ちがいいサウンドに包まれる。正直なところ、オーラの高い質感を一回見たら、ノートの普通っぽさは買えないんじゃないかなと思うのは僕だけ?
駆動システムは、ノートと同じシリーズハイブリッドのe-POWERであり、1.2Lのエンジンで発電し、モーターで駆動する仕組みだ。ノート・オーラの車重はノートに比べてFF車で40kg、4WDで30kgほど増えている。オーラはプレミアム性を増しているということで、ノートよりも20psほどパワーアップしているので、オーラの加速性は明らかに良くなっている。フロントモーターがチューニングされたおかげで、(僕のストップウォッチで測って)ノートの0-100km/hの8.5秒に対して、オーラは7.5秒と、1秒も速くなっている。
実は、ノートはもともと、発進から力強い加速が味わえたけど、オーラはこの変更でノートの上をいく。つまり、プラスされたその20psが高速道路での合流時に効くし、乗員4人とその荷物を載せた時にも、パワー不足は全く感じない。2WDも4WDも試したけど、特にリアモーターでも駆動がかかる4WDは加速時の安定感が高く、ドライバーまで安心させるフィーリング。
日産によると、オーラのサスペンションは変わっていないというけど、やはり、タイヤがワイド化されたことで、ノートよりも、コーナーでの踏ん張り感があって、ロールが少なく感じた。また、オーラはノートと同様に、アクセルを踏むと加速し、足を離すと減速するワンペダルだけで運転できるシステム。これは高く評価する。
価格は、ノートの4WD仕様で244万円に対して、オーラのWD仕様が286万円なのは高くないと感じる。外観のより高いプレミアム性はともかくとして、オーラの内装が素敵にドレスアップされた部分だけでも、プラス40万円の違いを感じた。一回乗ってみると、その差は歴然だ。
国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
「ライオンのひと吠え」過去記事はこちら