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Joe Raedle/Getty Images

米小売大手のウォルマートはその広大な市場範囲だけでなく、消費者サービス分野でのイノベーションへの深い傾倒により一目置かれるべき企業だ。

ウォルマートの医療分野における最近の事業は、こうしたイノベーションの一例だ。同社は数十億ドル(数千億円)規模の医療サービス業界の中心を担う企業になろうとしている。

同社は2019年、初期診療や研究所、X線、心電図、カウンセリング、歯科、視力・聴力、地域保健(栄養サービスやフィットネス)、医療保険に関する教育や登録などさまざまなサービスが全て1つの施設で提供される同社初の医療センターを発表した。

同施設は店舗外に設けられた便利なロケーションで、顧客は店舗とは別の入口を通して出入りできる。同クリニックでは保険の加入状況にかかわらず、地元の家族に重要な医療サービスが透明な低価格で提供される。同社はこれ以降、複数の場所で同サービスの拡大を続けてきた。

この取り組みにおいて考慮すべき特に重要な点の一つは、ウォルマート店舗による市場浸透度の高さだ。同社は2021年4月時点で、米国内だけでも5000以上の店舗を抱え、世界ではさらに5000店舗近くを運営していた。ウォルマートが医療サービスを店舗のわずか25%にでも拡大できるとすれば、数百カ所のコミュニティーで初期診療の姿が大きく変化するかもしれない。

それだけではない。ウォルマートは実店舗のみのサービス提供にとどまらず、5月に遠隔治療提供企業ミーMD(MeMD)を買収すると発表した。これは同社の、急速に成長を遂げる遠隔医療市場に参入する果敢な取り組みを示すものだ。

ウォルマートの健康・ウェルネス担当執行副社長のシェリル・ピーガス博士は「遠隔医療はアクセスを拡大し、消費者のいる場所にサービスを届ける素晴らしい機会を提供するもので、物理的なウォルマート医療センターを補完するものだ」と説明した。

「人々は現在、医療へのオムニチャネルなアクセスを期待している。ウォルマートの医療戦略に遠隔医療を加えることにより、当社の複数の資源やソリューションで対面あるいはデジタルな治療を提供できるようになる」(ピーガス)

また最近では、同社がこのサービスをさらに多くの州へと拡大することを計画しているという推測がある。

遠隔医療により広大な範囲に手が届くようになる可能性を考えれば、ウォルマートの同サービスはそのうち数百万を超える人にサービスを提供するようになるかもしれない。

翻訳・編集=出田静

ウォルマート

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