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各国で接種が進められている新型コロナウイルスのワクチンは、高い割合で重症化を防ぐことが確認されている。だが、感染そのものを「完璧に」防ぐわけではない。

実際のところ、2回のワクチン接種を完了しても起きる「ブレイクスルー感染」は、これまで考えられていたより多く発生している可能性がある。新たに出現した変異株、特に現在各国で優勢になっている「デルタ株」は、より多くのブレイクスルー感染を起こしている恐れがある。

これが重大な問題なのかといえば、答えはイエスだ。まず、ブレイクスルー感染した人が重症化する可能性は、ゼロではなない。英国では7月20日、感染して入院した人の約40%が、少なくとも1回は接種を受けていたとする調査結果が公表された。

また、オランダでも12日からの1週間に入院した人のうち、少なくとも14%が接種を完了した人だったと報告されている(75%は未接種、11%は発表時点で不明)。どちらも、デルタ株がワクチンに対し、いくらかの耐性を持つ可能性があることを示唆するデータだといえる。

ブレイクスルー感染が起きていることのもう一つの問題点は、接種完了後でも感染すれば、本人が重症化しなくても、または無症状でも、他の人に感染を広げる危険性があることだ。

オランダのウイルス学者らは先ごろ、複数の医療機関に勤務する接種完了者を対象に調査を実施。これらの人たちが再び感染し、未接種、または1回しか接種を受けていない同僚たちに感染を広げていたことを明らかにした。

それだけではない。感染は接種を完了した人たちの間でも起きていたという。新たに感染したのは大半が未接種の人だったというが、ブレイクスルー感染した人が感染を広げるリスクがあることは、確認されたことになる。

これが意味するのは、デルタ株は私たちに、恐るべき難題を突き付けているということだ。(米ファイザーやモデルナなどが開発した)mRNAワクチン、(英アストラゼネカなどが開発した)その他のワクチンは、重症化を防ぐという点で高い有効性を維持している一方、感染の拡大を防いではいない。

編集=木内涼子

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