「ブレイクスルー感染」、デルタ株で予想以上に増加か

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イスラエルは先ごろ、ワクチンが感染者の重症化を防ぐ効果は88~91%とする調査結果を発表した。約4カ月前に公表された数値と比べて低下はしているが、大きな差ではない。

一方、感染を防ぐ効果は、大幅に低下していた。7月上旬に同国の保健省や英国、シンガポールで公表されたデータでも、同様の変化が示されている。

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ジョー・バイデン米大統領は21日、ブレイクスルー感染の問題について尋ねられ、「起きる割合は非常に小さい。感染しても、生命を脅かすようなものにはならない」と答えた。そしてメディアは大半が、データに矛盾するこの見解を、そのまま伝えた。米紙ニューヨークタイムズもこの翌日、「ブレイクスルー感染の発生は“比較的まれ”」だとする記事を掲載している。

だが、実際にはブレイクスルー感染は、珍しいことではない。オランダ国立公衆衛生環境研究所(RIVM、米疾病対策センターに相当)の発表でも、同国で7月上旬の1週間に確認された陽性者のうち、9%はワクチン接種を完了しており、14%は1回の接種を受けていた。

同国でワクチン接種を完了した医療従事者のその後の感染状況について調べたウイルス学者らは、屋内の公共スペースではワクチンを2回接種した人にも、マスク着用とソーシャルディスタンスの確保を求めるべきだろうと指摘している。

米疾病対策センターは27日、各地で感染者が再び急増していることを受け、マスクの着用に関するガイドラインの見直しを実施したと発表。こうした地域では、屋内では着用するよう呼び掛けている。

編集=木内涼子

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