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ハバリーズ代表取締役社長 矢野玲美

「私たちが売っているのは、環境を大事にしたいというコンセプト。水を売っているわけではないんです」そう語るのは、紙パック入りのミネラルウォーターを昨年8月に初めて発売し、注目を集めているハバリーズ代表取締役社長の矢野玲美だ。

矢野の家業は、大分県宇佐市の「羽馬礼(はばれい)」に水源をもつ、京都に本社を置くペットボトル入りミネラルウォーターの製造会社。若干25歳でトップに立ち、第二創業として立ち上げたハバリーズでは、パッケージに紙パックを使用し、徹底的に環境に配慮したコンセプトが売りだ。

大学卒業後、技術系商社で働いていた際に、欧米で紙パック入りのミネラルウォーターを見かけたのがきっかけで、日本でも普及させたいと開発を始めた。

当初は「ニーズがない」「(ペットボトルよりも)高くて売れない」といった否定的な意見もあったが、ふたを開けてみればSDGsへの関心の高まりと同時に興味を示してくれる企業が多かった。ナチュラルローソンでの取り扱いを皮切りに高級ホテルやブランド店、大手企業、国や地方の行政機関、大学などと契約が進んでいる。

これまで、紙パック入りの水は「紙臭さが移る」「高コスト」などの理由で販売されてこなかった。内部に特殊なアルミ箔を貼る加工をして匂い移りを防止。再生可能な包材を使用し、1本につき1円の環境保全のための寄付や、使った後の紙パックをリサイクルする仕組みなどを整えることで、SDGsに積極的に取り組む企業のブランドイメージ向上につながるようにした。

ミネラルウォーターの製造販売は競合他社が多く、差別化が難しい業界だ。本当に売れるのか──? 最初は懐疑的な同業者が多かったが、商品の人気ぶりに「同じメーカーとして勇気付けられた」「自分たちも何かできるかもしれないと思った」と声をかけてもらうことが増えた。

「水は誰でも飲むもので、シンプルで普遍的なアイテム。1本の水から世界は変わる。そんなメッセージを発信し続けたいと思います」


やの・れみ◎1993年、京都市生まれ。大学卒業後、技術系商社で中東プロジェクトを担当しながら、実家の家業であるペットボトル入りのミネラルウォーター製造会社の役員も務める。2018年に事業承継し、20年6月、環境対応の新事業として、ハバリーズを設立、代表取締役社長に就任。

文=成相通子 写真=帆足宗洋(AVGVST)

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