オーガスタナ・カレッジのプログラムは、必要な支払いをすべてディグリー・インシュアランスが負担し、学生にも大学にも一切コストはかからない形で提供される。
これは、双方ともに得をする取引だ。ディグリー・インシュアランスは、新商品のブランディングとテストの機会を得る。オーガスタナ・カレッジは、収入保険に今後投資する価値があるのか、入学者数や授業料収入の増加につながるのかを判断することができる。
オーガスタナ・カレッジで渉外担当バイスプレジデントを務めるケント・バーンズ(Kent Barnds)は、大学の声明のなかで、「2021年秋にオーガスタナへの編入を考える学生にとって、もうひとつプラス材料が増えた」と述べた。「卒業生が自分の専攻で期待される収入を得られなかった場合、保険プログラムを通じて差額が支払われる」
「オーガスタナ・カレッジとディグリー・インシュアランスが提携を結んだのは、2020年秋に他大学に新入生として入学した学生たちが、夢見ていたような経験を得られていないかもしれないことを知っているからだ」と、バーンズは述べる。「これが追加的インセンティブとなり、オーガスタナでの教育に関心が高まると考えている」
ディグリー・インシュアランスの創業者でCEOのウェイド・アイヤリー(Wade Eyerly)は取材に対し、次のように語った。「オーガスタナ・カレッジと提携し、このパイロットプロプラムを実施できることを大変光栄に思う。同校は、好奇心とイノベーションに重きをおく大学だ。我々は初めて、大学が自らの提供する教育に責任をもち、学生に対して学習の投資利益率(ROI)を保証するところを見ることになる。高等教育にとってまったく新しい方向性であり、オーガスタナはそのトップランナーだ」
今回の収入保証の試みの前から、オーガスタナ・カレッジは学生にユニークな機会を提供してきた。US Newsはこの点を評価し、同校を全米でもっとも革新的な大学(2021年度版)のひとつに選んでいる。
同校は例えば、2009年以降、すべての学生が応募できる留学・研究・インターンシップのための最高2000ドルの助成金プログラム「オーギー・チョイス(Augie Choice)」を運営している。過去10年間で、すべての専攻から年平均約550人の学生が助成金を獲得し、海外で学び、指導教員のもとで研究し、職業経験を積んだ。支給総額は900万ドルに達する。
他大学でも、これを真似た助成金プログラムの導入が進んでいる。収入保険も新たなイノベーションとして高等教育の現場に定着するのか、今後に注目だ。