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2021.07.29 16:00

EVバッテリーの「レッドウッド・マテリアルズ」が評価額4000億円に

Jens Schlueter/Getty Images

Jens Schlueter/Getty Images

テスラの共同創業者で元CTOのJB・ストラウベルが設立したバッテリーリサイクル会社「レッドウッド・マテリアルズ(Redwood Materials)」は7月28日、新規で7億ドル(約768億円)以上の資金を調達し、EV(電気自動車)用のリチウムイオンバッテリーの製造に必要なリチウム、コバルト、ニッケルなどの回収規模を拡大すると発表した。

レッドウッド社は新たな資金で、ネバダ州カーソンシティでのオペレーションを3倍に拡大し、500人以上の従業員を採用するという。

今回のラウンドは、Tロウ・プライスが主導し、ゴールドマン・サックスやベイリー・ギフォード、カナダ年金制度投資委員会、フィデリティらが参加した。また、既存出資元のカプリコーン傘下のテクノロジー・インパクト・ファンド、ブレイクスルー・エナジー・ベンチャーズ、アマゾンのClimate Pledge ファンドも参加した。

レッドウッド社は2020年以降に少なくとも7億4000万ドルを外部から調達しており、関係者によると、今回のラウンドでの評価額は37億ドル(約4060億円)に上昇したという。

自動車業界ではテスラを筆頭にEVの販売が加速しており、それに伴いバッテリーセルの需要も急増している。しかし、リチウムやニッケル、コバルトなどの採掘は、環境に悪影響を及ぼす可能性があり、今後の価格の上昇も確実視されている。

この課題に対処するためにストラウベルは、レッドウッド社を「新世代の鉱山会社」に位置づけ、貴重な素材を回収してリサイクルを行い、使用済みバッテリーの化学物質が環境に悪影響を与えることを防ごうとしている。

レッドウッド社は、操業初年度の2020年に、1万トンに及ぶパナソニックやエンビジョンAESCからのスクラップや、アマゾンからの電子廃棄物を処理していた。ストラウベルは、同社が2021年にその倍の量を処理する見通しだと述べている。

古いバッテリーやスクラップから、独自のプロセスでコモディティ素材を分離する同社は今年、「数ギガワット時相当の素材をリサイクルする」と述べている。1ギガワット時のバッテリー素材で、1万台から2万台のEVの需要が満たせるという。

レッドウッド社は将来的に、北米や欧州の他の地域にも施設を設置し、数百万台のEVに必要な材料を供給することを目指している。ストラウベルによると、レッドウッド社はすでに従来の採掘よりも低いコストで、リサイクルによってバッテリー素材を調達可能だという。

Tロウ・プライスの Growth Stock Fundのポートフォリオマネージャーであるジョー・ファスは、「脱炭素時代を迎えるにあたり、これらの素材の重要性は飛躍的に高っていく。レッドウッド社は、この新たに発生した極めて重要なトレンドの最前線に立っている」と述べた。

編集=上田裕資

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