ピボット・バイオの調達額は農業分野では巨額だが、DCVCの共同マネージングパートナーであるMatt Ockoは、こう指摘した。「従来の化学プラントの建設費に比べればごくわずかな額だ。Pivot Bioは、小さな資本が巨大な産業を変革すると同時に、気候変動への対応問題を解決する先駆的な事例だ」
テンメによると、今回の調達はピボット・バイオにとってIPO前の最後のラウンドだという。「私にとって、窒素こそが社会に最も大きな影響を及ぼすことができるものだ。農家にとって、窒素は種子の次に大きなコストであり、環境に与える影響は甚大だ」
農家の利益は小さいため、同社の製品を普及させる鍵はコストにある。「我々は、農家の仕事を変えたい。我々が行っているのは、より良い微生物を作るための実験だけでなく、ビジネスをより良く機能させるための実験でもある」とテンメは話した。
この分野では「Indigo Ag」や、Ginkgo Bioworksとバイエルのジョイントベンチャーである「Joyn Bio」も農業を改革することを目指し、巨額の資金調達を行っている。