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2021.07.31

米アパレル「メイドウィル」 中古ECと提携でデニムの再販を強化

Getty Images

ファッションブランドのメイドウェル(Madewell)が、中古衣料ECを運営するスレッドアップ(thredUP)との提携による全社的なサステナビリティの取り組みを発表した。

この新たなプログラム「Madewell Forever」は、同ブランドが現在提供しているデニムの下取りやリサイクルプログラムを拡大する試験プログラムで、デニムに第二の人生を与えて埋め立て処理を防ぐための、循環型再販売プログラムを生むものだ。

メイドウェルの親会社、Jクルー・グループでサステナビティティー部門のトップを務めるリズ・ハーシュフィールド上級副社長は「この取り組みはメイドウェルのサステナビリティの取り組みを踏まえたもので、製品の寿命を2年も延ばすことができる」と述べている。

メイドウェルにとって、スレッドアップとの協業はこれが初めてではない。両社は2019年に提携し、メイドウェルはスレッドアップの技術やロジスティクス、提供する顧客体験に感銘を受けた。今回のプログラムにより協業を拡大。メイドウェルの顧客はデニムをリサイクルしつつ、中古デニムを店舗とネットの両方で初めて購入できるようになる。

スレッドアップは商品の品質評価を支援し、その後両社は協力してどの製品を店舗・ネット、あるいはスレッドアップのサイトで販売すべきかを決定する。

今プログラムでは、最初はメイドウェルの中核的商品であるデニムに焦点が当てられるが、今後、他の製品カテゴリーにも拡大する可能性もある。

またメイドウェルは、今回のプログラムによりZ世代の顧客を増やすことも目指している。同社のデレク・ヤーブロー最高マーケティング責任者(CMO)は「ミレニアル世代とZ世代の40%以上は、過去12カ月間で中古服を買っている。今回のプログラムでは、この世代に大きく焦点を当てている」と話す。

Z世代は持続可能な商品への関心が最も高いため、これは賢い戦略だ。この世代の中で、ブランドには環境を守る義務があると考えている人は実に93%に上る。

またこの世代は最も急速に成長を遂げる消費者集団でもあり、購買力は1400億ドル(約15兆4000億円)以上で、世界に還元する強い願望を持っている。
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翻訳・編集=出田静

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