ゴールドマンの考えを後押ししたもうひとつのトレンドが、「米国の食生活がスナック化していること」だった。食事の量が減少し、間食の頻度が増えるなか、彼は、自分が生み出すものは何にせよ「栄養豊富」であるべきだと考えた。
出発点として、きわめて効率的に栽培でき、栄養価も高いマッシュルームは、条件を完璧に満たしていたと彼は言う。調理の観点から見ても理想的だった。「共同創業者のスパイク(・メンデルソン)にとって、マッシュルームは完璧なキャンバスだ。どんな風味も合う。こうして、マッシュルーム・ジャーキーが生まれた」と、ゴールドマンは説明する。
噛みごたえがありつつ、しっとりとした食感の風味豊かなジャーキーは、シンプルな「シーソルトと粗挽き胡椒」から、スパイシーな「ハバネロBBQ」まで、幅広いフレーバーを網羅している。
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ただし、マッシュルーム・ジャーキーは、同社の製品が最初というわけではない。すでにいくつも市場に出回っている。
ゴールドマンによれば、イート・ザ・チェンジの商品は有機栽培マッシュルームのみを使用し、シェフの手でつくられている点で、競合商品と一線を画している。同社のマッシュルームは、ペンシルベニア州で4代続く家族経営のオーガニックファームで生産されおり、クレミニ種とポートベロー種のマッッシュルームのなかで、小さすぎる、大きすぎる、傷があるといった理由で店頭に並ばない品が使われている。
廃棄食品をなくすことは、彼らのブランドミッションの核心だ。現在栽培されている作物の約3分の1は市場に出回っていない。「これらの作物の栽培に使われる土地、エネルギー、水のすべてが無駄になっている」とゴールドマンは説明する。
「そしてもうひとつ、我々はブランド構築にも力を入れている。我々はマッシュルーム・ジャーキーの会社ではなく、プラットフォームブランドなのだ」と、彼は言う。
現在開発中のほかの製品も、同じ基本方針に従って生産されることになる。つまり、オーガニックで植物ベース、栄養豊富という方針だ。また、これまでは市場に出る見込みがなかった食材を活用することで、廃棄食品の削減に貢献する。