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起業家たちの「頭の中」


単価を高く設定する理由


──「思想」「採用」「プル型営業」と、他のスタートアップにとっても参考になる成長の要素のようにも思います。

そうですね。この3つはあらゆる業種の会社に当てはめることのできる要素だと思います。

最後にクリエイティブ業界特有のポイントを付け加えておくと、「単価をかなり高く設定した」ことがあります。我々は通常の相場の2~3倍の報酬をいただいて仕事をしています。

これにも2つ理由があって、1つめは「案件数を減らし、クオリティを上げる」ため。

先ほど「プル型営業」と言いましたが、我々にとって一番の営業手段は「口コミ」であり、「アウトプットのクオリティ」です。良い成果を出せば、必ず次の仕事が来ると信じてやっています。

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GO 代表取締役 三浦崇宏(提供:DIMENSION NOTE)

その「口コミ」を生み出すためにはクリエイターやプロデューサーの情熱と知恵をかけないといけませんし、目先の案件ではなく、本当に注力できる良い案件を1つずつ丁寧にやっていくことが重要です。

結果的に単価を上げることが営業観点でも合理的となるわけです。

もう1つは裏側の理由なのですが、我々はクリエイターの社会的価値を高めたいと考えています。

ファイナンスやテクノロジーに強みを持つ人が社会的に注目されていますし、市場価値もクリエイティブ人材より高い。

しかし、人口も増えず、テクノロジーも最先端技術が日本にあるわけではないこれからの時代において、世界に日本が競争力として持っている成長資源は「クリエイティブ」だと思うんです。

なので「クリエイティブ」が価値を社会に提供できることを証明しなくてはいけないし、トップクリエイターが活躍できるような構造を作らないといけない。ゆえに報酬を高くしていくということをやっています。

これからも「クリエイティブ」が持つ価値を、世の中に証明し続けたいと思います。

「クリエイティブディレクター」という仕事の本質


──現在は投資業をはじめ、様々な領域に事業展開されています。複数の事業を展開する上で意識しているポイントをお聞かせください。

よくクリエイティブディレクターという仕事をしていると「CMや広告を作る専門家」だと思われるのですが、私の認識は異なります。私は自分のことを「新しい意味を作ることで価値を増やす、思想と技術の専門家」だと思っているんです。

「クリエイティブ」事業の本質は何かというと、事業やサービスの本質を捉えて意味を作り、それを言語化してデザインし、メディアにパブリッシュすることで価値を高めることです。

その前提でお話しすると、たしかに事業領域は広がっていますが、全く畑違いなことをやっているわけではありません。同じ「クリエイティブ」の力を使って、役割を果たす領域を広げているだけなのです。

例えばスタートアップ支援の事業も、「クリエイティブ」を活用してスタートアップが持っている思想を言語化することで、投資家が集まりやすくなったり、ユーザーが興味を持ってくれるようになります。

「クリエイティブ」の力を単なる大企業のマーケティングに使うのではなく、教育やスタートアップ支援、もしくは行政に使う。私にとってはすべてクリエイティブディレクターの仕事の延長です。

文=伊藤紀行 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc. 編集=露原直人

起業家
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