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ジョー・バイデン((Photo by Anna Moneymaker/Getty Images))

最新の世論調査で、ジョー・バイデン米国大統領の就任以来で初めて、アメリカ人の過半数が今後1年間の国の方向性について悲観的な見方をしていることが判明した。背景には、新型コロナウイルスの急激な感染再拡大により、経済回復への懸念が高まっていることが挙げられる。

イプソス社が7月25日に発表した世論調査結果で、米国人の約55%が国の方向性について悲観的であると回答した。この数値は、4月下旬の調査結果の36%を約20ポイント上回っている。イプソスは、23日と24日に500人以上の米国の成人を対象に調査を行った。

悲観的な見方は、すべての年齢層や所得水準、支持政党の間で高まっている。例えば、民主党員の間での楽観的な見方は、以前の89%から71%に低下し、無党派層では64%から38%に低下していた。

新型コロナウイルスに対する懸念の高まりを反映して、バイデン大統領の対応を評価する米国人の割合は、3月下旬より9ポイント低い63%に低下した。

また、大統領の対応を「評価する」と答えたのは、共和党員の間でわずか30%だったのに対し、民主党員の間では93%と、政治的な立場によって大きく異なることも明らかになった。

さらに、バイデン大統領はパンデミックへの対応以外の項目でも評価を下げており、犯罪や移民、銃による暴力への対応への肯定的な評価がそれぞれ、39%、37%、37%だった。

バイデン大統領の就任から100日が経過したばかりの4月末時点では、米国人の来年に対する楽観的な見方は64%に達し、イプソスの週間世論調査で約15年ぶりの高水準となっていた。

その当時は、全米でワクチンの接種が進んだ結果、新型コロナの新規感染者数が6カ月ぶりの低水準にあった。しかし、その後はデルタ株による急激な感染拡大が起こり、フロリダ州などでは、わずか2週間で感染者が約2倍に増えている。全米の感染者数は現在、ここ3カ月間で最も早いペースで増加している。

悲観論の高まりは、株式市場にも影響を与えている。23日の市場は2カ月ぶりの高値を記録したが、週明けの26日には、デルタ株が米国内の主流となったことを受けて、大きく落ち込むなど、ボラティリティが高い状態が続いている。

コモンウェルス・ファイナンシャル・ネットワークのピーター・エッスルは、「世界経済は生命維持装置でかろうじて生き延びている状態であり、新たな感染症がロックダウンに拍車をかけ、弱々しい回復に死を宣告する可能性がある」と述べている。バイデン大統領は19日、「米国経済は、この6カ月間で大きく前進した。我々は今、減速してはならない」と記者団に語っていた。

編集=上田裕資

アメリカ経済

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