著者の安藤氏は、これまで「識学(しきがく)」という意識構造学を通して、数々の企業の業績アップに貢献してきた。2021年1月時点では、識学を全国2000社以上へ導入しており、「いま、最も会社を成長させる組織論だ」と口コミを中心に広がっている。
「識学」とは、組織内の誤解や錯覚がどのように発生し、どうすれば解決できるか、その方法を明らかにした学問だ。
同書は、そんな識学のメソッドを元に、「若手リーダー」に向けてマネジメントのノウハウを伝える。
今回は、自由な会社ほど息苦しくなる理由、またそれに対する具体的な解決案について、ダイヤモンド・オンラインからの転載で紹介する。
「自由な職場」ではみんな迷子になる
「楽しく働きたい!」
「自由な会社で働きたい!」
そう思っている人は多いでしょう。
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出社時間は自由、サークルのようにワイワイ仕事して、夜はチームのみんなと飲みに行く。リーダーもやさしいし、ルールもきちっと決まってないから柔軟に動ける──。
そんな「理想の」会社で働きたい、と。
すでにそういう会社で働いている人も多くいます。
ただ一方で、最近こんな声も聞こえてきます。
「毎日なんとなく楽しいけど、一向に給料も上がらないし、このままこうやって仕事を続けていていいのかわからない……」
「こんなに努力しているのに評価されない。成長しているのかどうかもわからない……」
「理想の」職場だったはずが、みんな迷い始めているのです。メンタルを崩す人も増えているといいます。
私はマネジメントの専門家としてあらゆる組織を見てきました。そして、いま明確に「危機感」を抱いています。
それは、履き違えた「自由」が蔓延することで、会社が弱体化してしまうのではないか? ということです。
いま一度「私たちが本当に目指すべき理想の組織とはどういうものなのか?」あらためて考えてみる必要がありそうです。