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2021.07.29

会社員時代の干された過去 先人を否定すると成長チャンスを失う |GO 三浦崇宏 #2

GO 代表取締役 三浦崇宏(提供:DIMENSION NOTE)


意見を無視せず、悔いがないレベルまで考える


──「野心」と「素直さ」のバランスは、経営者としてご活躍される今も意識されていますか?

今の自分の経営スタイルにも完全に引き継がれていますね。

例えば先輩経営者や会社の仲間から様々なアドバイスや意見をいただくとき、一旦「素直」に聞くという意識は常にあります。その上で、しっかり考えた上で「いただいた意見を無視する」と意思決定をする時もある。

意見を聞かずに無視するのと、聞いた上で熟考して無視するのでは、相手の反応も、自分の腹のくくり方も全く違ってきます。

そして一番違うのは「失敗した後の起き上がり速度」。

意見を聞かなかったせいで「本当に自分が悪いんだろうか」と疑問を持ちながら倒れるのと、選択肢があったことを理解した上で「あのとき熟考したから悔いはない、次は改めよう」と倒れるのでは、全く次の一歩が変わってくるのです。

なので、私は人から意見をいただいたらまずは「素直に」聞き、間違ったとしても悔いがないレベルまで考え、その上で意思決定するように心がけています。

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GO 代表取締役 三浦崇宏(提供:DIMENSION NOTE)

──三浦さんご自身も大企業で失敗したからこそ、その感覚を身をもって理解されているのですね

早いうちに大きな失敗をしたことのある人が、結果的に選択を間違えなくなる可能性が高いと思います。

なぜかというと一度失敗して意識を改めた人は、自分の中に独自のものさしを持って「自分の選択に納得」することができるからです。

失敗したことがないのに「野心」と「素直さ」のバランスをとれている人がいたとしても、それは自分の中で完全に腹落ちしていない可能性があります。自分の選択に対して心底納得していないから、行動に再現性が無い。

「大きな失敗をしたことがある人」は強い。なので若い方は、早いうちからどんどん大きな挑戦をしていただきたいですね。


三浦崇宏(みうらたかひろ)◎The Breakthrough Company GO 代表取締役 PR/CreativeDirector。2007年博報堂入社、マーケティング・PR・クリエイティブの3領域を経験、TBWA \HAKUHODOを経て2017年独立。「表現をつくるのではなく、現象を起こすのが仕事」が信条。Cannes Lions、PRアワードグランプリ、ACC TOKYO CREATIVITY AWORDS グランプリ/総務大臣賞など受賞多数。著書『言語化力(言葉にできれば人生は変わる)』(SBクリエイティブ)がAmazonのビジネス書ランキングで1位に。近著に『人脈なんてクソだ(変化の時代の生存戦略)』(ダイヤモンド社)。東京大学、早稲田大学、筑波大学などで講師実績あり。

文=伊藤紀行 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc. 編集=露原直人

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