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2021.07.29 09:00

会社員時代の干された過去 先人を否定すると成長チャンスを失う |GO 三浦崇宏 #2

GO 代表取締役 三浦崇宏(提供:DIMENSION NOTE)

GO 代表取締役 三浦崇宏(提供:DIMENSION NOTE)

広告の枠を超え、さまざまなクリエイティブで世間の注目を浴び続けている The Breakthrough Company GO。2020年にはベンチャーキャピタル事業「The Breakthrough Partners GO FUND」(GO FUND)も設立し、その事業領域を急拡大させている。今回はPRのスペシャリストでありクリエイティブディレクターでもある代表取締役 三浦崇宏(みうらたかひろ)氏に、起業家としての素養、事業拡大の秘訣などについて、DIMENSIONの伊藤紀行が聞いた(全4話中2話)

第1話はこちら>>

生意気な態度で仕事を失った


──第1話では「何かを勝手に原体験として発見できる視点」の大切さをお伺いしました。その視点を磨くための秘訣があればお聞かせください。

「素直さ」と「野心」のバランスが大切です。

私はもともと「野心」ドリブンの人間でした。大学時代にもイベントのプロデューサーとして割と大規模なイベントを運営したりしていたので、それなりの収入もあったんです。

でも、もっと世の中を動かすようなこと、社会に対して大きな価値提供ができる仕事がしたいという「野心」を持って大手広告代理店である博報堂に入りました。

そんな気持ちで入社したにも関わらず、入社早々、配属希望だったクリエイティブ部門に行かせてもらえなかったという理由でいじけていたんです。

先輩方も、生意気な私のことを想ってあえてキツくあたってくれていたのですが、私は柔道で全国クラスの選手だったこともあって「こいつら路上で肩ぶつかったらペコペコ頭下げるのに、なんで俺に偉そうに言ってくるんだ」くらいに思っていて(笑)。そんなやつが成長するわけないですよね。今思えば本当に恥ずかしいです。

そうして「野心」だけの生意気な態度をとっているうちに、会社ですっかり干されてしまいました。仕事が無くて、仕方なく論文を書いたり、スタートアップのコンサルティングを勝手にやったりしていましたね。

──そんな状況をどのようにして乗り越えたのでしょうか?

一定の小さな成果は出していたものの、同期たちが大きい規模の仕事に関わっているのを見て、ふと気づいたんです。「俺は何をやってるんだろう」と。

そして当時の上司に「生意気を言ってすみませんでした、心を入れ替えるので仕事をさせてください」と泣きながら詫びて、職場に戻してもらいました。そこからは「素直さ」を持って人の話を聞くようになり、結果的に大きな仕事で結果を出せるようにもなりました。

「巨人の肩に乗る」という言葉がありますが、まさにその通りだと思います。

自分が持っていない知識や技術を先人達はお持ちなのであって、それが自分の持っているものと違うからといって否定していたら成長するチャンスを失います。「素直」に周りの人の話を聞くことが必要なのです。

──「野心」に振りすぎず、「素直さ」にも振りすぎず、とバランスさせるのは難しそうです

私は「野心」と「素直さ」は両立できると思っています。

例えば、最初の3年間は必ず相手の言うことを聞き、学んだうえで次から自分の感性や技術とクロスさせる。あるいは言われたことの8割は必ず先輩方の言った通りにやり、残り2割で自分なりの考え方を試す。

過去の私も含め、「白か黒か」みたいになってしまっている人が多いですが、「野心」と「素直さ」をタイミングに応じて自分の中で絶妙にバランスさせていくことが成長する上で非常に重要なのだと思います。
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文=伊藤紀行 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc. 編集=露原直人

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