そう聞いて、読者のみなさんが何を思うか、筆者にはだいたい想像がつく。「わかったよ、ニコール、認めよう。私には問題がある。でも、それをおおっぴらに伝えたとして、何が変わるんだろう? たしかに今までは、お金の使い方について悪い習慣が染みついていた。正しい習慣に戻さないといけない。だとしても……次はどうすればいいんだ?」というところだろう。
実は、次にすべきなのは、立て直しに向けた道程の次のステップに足を踏み出すことだ。現実世界で、道を進む時に必要なものは何だろう? 地図、そして計画だ。
では出発しよう。今回は、家計の見直しに役立つ「地図」を3つのステップで作る方法をご紹介する。
目標を明確にする
紙を1枚用意して、今から始めようとしている新しい暮らしに向けた目標を書いてみよう。筆者のおすすめは、1年目、3年目、5年目、7年目、10年目と、まずは時期を記して、それぞれの年までに達成したい目標を書いていくやり方だ。
その年に自分が何を、どこで、誰とやりたいかを考えてみよう。この時、心に留めておきたいのが「SMART」だ。これは目標設定の原則で、「Specific(具体的な)」のS、「Measurable(測定可能な)」のM、「Actionable(実行可能な)」のA、「Realistic(現実的な)」のR、「Timely(タイミング良く)」のT、それぞれの頭文字を取っている。
この5つのうち、特に注意が必要なのが「実行可能で現実的な」という部分だ。例えば、憧れていた仕事に就きたいが、そのためには1年間、学校に通って学び直さなければならないとしよう。1年目に実際に学校に通うとして、なおかつ3年目に「自宅を購入する」という目標を設定した場合、これは余裕を持って実行できる計画だろうか?
1年目に学校に戻るのなら、3年目の時点では、学費ローンの負債を抱えている可能性がある。その場合、大きな買い物に手持ちの資金を投じるよりも、まずはローン返済に集中する必要があるだろう。この例で、現実的に考えることの大切さがわかるはずだ。