シェリル・サンドバーグが女性であるがために浴びる不当な批判

フェイスブックの最高執行責任者 シェリル・サンドバーグ(Getty Images)

フェイスブックのシェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)はこれまでも、一般的な女性らしさの枠から外れることで不公平な批判を浴びてきた。こうした枠から外れることなくフェイスブックのような組織をうまく運営するのは難しいだろう。

最近出版された書籍で、サンドバーグはまたしても、男性リーダーであればとがめられないような行動を批判された。

この書籍は、米紙ニューヨーク・タイムズの記者、シーラ・フレンケルとセシリア・カンが執筆した『An Ugly Truth(醜い真実)』。フェイスブックが抱える多くの問題について、マーク・ザッカーバーグ最高経営者(CEO)とサンドバーグの責任を厳しく追及する内容だが、サンドバーグについては、ザッカーバーグら男性幹部ならば注目されなかったような行動をめぐる批判の声も紹介している。

女性らしさの規範に収まらない行動を理由に女性リーダーを攻撃するのは簡単だ。一般的な固定観念では、女性は温かく親切で、いつくしみの心を持ち、礼儀正しくなければならない。一方で男性は、強く攻撃的であるべきだとされる。


フェイスブックのシェリル・サンドバーグ(左)とマーク・ザッカーバーグ(右、2021年7月8日撮影、Getty Images)

サンドバーグのような女性上級役員はこの固定概念に当てはまらないことが多く、批判の矛先を向けられがちだ。こうしたリーダーは志が高く、自信があり、信念が強く、自分の意見をはっきり述べ、時には怒りをあらわにすることもある。だがこうした行動は、女性らしさの一般的概念に反するがために注目され、記憶に残りやすい。結果、女性は不公平なダブルスタンダード(二重規範)の対象となる。

非難の内容とは


今回の新著で、サンドバーグは「チフスのメアリー」になぞらえられ、気を散らす存在だとか高慢だと評されているほか、上院公聴会で行った証言での用意周到さをも批判されている。

あるフェイスブック社員は、「自分が魅了したり説得したりできない人はいない」とサンドバーグが思っているとして、その自信過剰ぶりを批判した。別の社員は、サンドバーグが親しくなる女性社員はジムに行って髪をブローして乾かす人だけだという奇妙な批判を展開。男性がこうした批判を受けることは考えにくいが、他の女性リーダーなら身に覚えがあるのではなかろうか。
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編集=遠藤宗生

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