アインホーンによると、高級ブランドが自社商品のリセールを制御する方法はこれまでただ一つ、訴訟しかなかった。仏高級ブランドのシャネルは認証の問題を巡り、高級品の委託販売企業ザ・リアルリアル(The RealReal)を訴えていた。両者は4月に、調停を通じて和解に合意している。
ザ・アーキビストは、消費者を取り戻したいブランドに対し完全管理型マーケットプレースも提供している。
「料金を支払えば、当社の方で商品を引き取り流通を管理する」とアインホーン。「ブランドが追加料金を支払い、よりオーダーメードのソリューションを希望している場合は『ザ・リアルリアル』のサービスを提供する。各売り上げの20%に加え増分の料金が支払われれば、顧客サービスを含めブランドの全システムを当社が管理する」
ザ・アーキビストはまた、ブランドの顧客が状態良好な中古品を登録し、最寄りの販売店の予約を取って中古品を持ち込めるよう、ソフトウエアを活用したソリューションも提供する。ブランドの専門家は同ソフトを使って価格を決定し、その場で顧客に支払いを行うことができる。商品は将来の使用のため、修繕されるか保管される。
ザ・アーキビストが加わるのは、2025年までに約770億ドル(約8兆5000億円)の価値まで伸びると予測されている市場で、競合企業は多い。
フランスのベスティエール・コレクティブ(Vestiaire Collective)はアレキサンダー・マックイーンと提携し、「ブランド・アプルーブド(Brand Approved)」と呼ばれる再販売プログラムを開始した。
ザ・リアルリアルは複数のブランドと提携し、再販売するには消耗し過ぎているデザイナー生地をアップサイクリング(使わなくなったものに新たな価値を加えて生まれ変わらせること)したものからコレクションを作成した。また高級ファッション販売サイトのファーフェッチ(Farfetch)は最近、衣料品転売サイトを運営するスレッドアップ(ThredUp)の最初の転売サービスパートナーになっている。
アインホーンは「現在は、誰もが買い手と売り手の両方だ。消費者はただバッグを所有するだけでなく、エコシステムに参加したいと思っている。中古品の認証と、安全な方法で購入する機会を持つことは非常に筋が通っていることだ」と説明した。