トランプは昨年秋に新型コロナウイルスに感染し、回復後は「免疫がある」と語っていたが、退任前の1月に夫人とともにワクチンを接種していた。当時はまだワクチンはきわめて入手しにくい状態にあった。
ベディングフィールドはMSNBCテレビの報道番組「モーニング・ジョー」で、トランプは「実のところ最も早くワクチンを接種した一人」だったと言及。支持者たちにも接種を呼びかけていると続け、「これは素晴らしいことだ」と話した。
また、共和党のミッチ・マコネル上院院内総務が4月、「リーダーシップ」を発揮して共和党員に接種を促したとして謝意を表するなど、共和党側による接種促進の取り組みも高く評価した。
トランプはワクチンを支持する姿勢を貫いており、先月にはワクチンが「世界を救っている」とも発言した。側近のなかにも同調者がいる「反ワクチン」の立場からは距離を置いている。
一方で、今月18日には、支持者がワクチンに不信感を抱いているのは「(昨年の大統領)選挙の結果を信用していない」からだと主張し、ワクチン忌避と自らが種をまいた選挙結果への疑念を結びつけてもいる。
バイデンは大統領就任前の昨年12月、ワクチンが早期に開発にこぎつけたのにはトランプ政権による「ワープスピード作戦」が貢献したとして、ワクチンに関してトランプを評価する発言をしていた。だが就任後は、トランプをもちあげるコメントはおおむね控えている。
19日には、保守系のFOXニュースの出演者らが相次いでワクチンを支持する姿勢を打ち出し、視聴者にワクチン接種を呼びかけた。FOXニュースとFOXビジネスの両チャンネルで「詳しい情報はこちら」として米政府のワクチン接種案内サイト「Vaccine.gov」を紹介するテロップを流し、司会者のショーン・ハニティーも「どうかコロナを真剣に受け止めてください。ワクチン接種には科学的根拠があるとわたしは信じています」と視聴者に語りかけた。
ワシントン・ポストとABCニュースが今月発表した世論調査によると、共和党支持者ではワクチンをおそらく受けないと答えた人が47%にのぼり、38%は絶対に受けないと回答している。