ワクチン接種の前に。押さえておきたい5つのこと

5月16日、東京都内


副反応には個人差


私が接種を受けたのはファイザー社のワクチンでしたから、mRNAワクチンです。接種後の副反応には個人差があり、接種部位の痛みや、腕が上がらない、発熱やだるさなどさまざまです。私の場合、1回目の接種では接種部位が翌日まで少し痛かったですが、発熱などはありませんでした。腕が水平以上は上がらなくてつらい、指までむくんだという人もいました。

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(Photonews/Getty Images)

2回目は、接種の翌日の昼間に37.6度の発熱とだるさが出現しましたが、日曜日で仕事が休みだったので、4時間ほど寝ていたら解熱し、気分も良くなりました。同じ時に接種した人の中には、接種2日後にも発熱があり仕事を休んだ人もいました。これからワクチン接種を予約する人は、スケジュールを考えて予定を立てることをお勧めします。

コロナワクチンの接種に当たり、心掛けたいことがあります。がんなど体に負担がかかる病気やその治療中の人は、ワクチン接種の時期を主治医と相談しておくことをお勧めします。できれば体調が悪くなりがちな抗がん剤治療時期より、体調が良い時期にワクチンを接種した方がよいです。

また、前日に飲み過ぎたり食べ過ぎたりして接種日に二日酔いや吐き気で気分不良ということがないように、体調を整えておきましょう。接種後の発熱や頭痛や腕の痛みがつらい時には、解熱鎮痛剤を飲んでもよいので、念のため用意しておくと安心です。

問診票を家で記入して持参しても記入漏れなどもあり得るので、当日は筆記用具を持参してください。接種会場のボールペンは多くの人が使用する可能性があり、感染の原因にもなりかねません。老眼鏡を使用する人は、老眼鏡も忘れずに荷物に入れましょう。

半袖かノースリーブで


インフルエンザワクチンは皮下注射で、二の腕の下の方に接種します。しかし、コロナワクチンは筋肉注射なので、肩から腕にかけて位置する三角筋に接種します。そのため、肩から少し下がった二の腕の上部が露出しやすい、ゆったり袖の半袖かノースリーブの服に、肌寒ければ上着を羽織りましょう。私の母は腕が出しやすい半袖ニットを着て行ったそうです。袖がまくり上がらない長袖を着ていると肩が出せないので、仕方なく服を脱ぐ羽目になります。

接種した後は、アナフィラキシーショックなどアクシデントが発生しても対応できるように、15~30分間は待機するので、読む本などを持っていくとよいでしょう。



コロナワクチン接種の後に腕がだるくなったり、手に力が入りにくくなったりする人もいます。接種後にめまい、頭痛、だるさが出現する人もいます。接種した日は自動車やバイク、自転車の運転は控えたいものです。可能なら、公共の交通機関を利用したり、家族に送迎を頼んだりすると安心です。腕から指までむくんだという人もいますから、指輪は外した方がよいかもしれません。

副反応などの不安もあるコロナワクチンですが、希望者にはスムーズに接種が進み、一日も早く不安が少なくなり、コロナ禍以前の日常が戻って、皆が明るい気持ちで元気に暮らせるようになるとよいですね。




福田千晶(ふくだ・ちあき)◎
慶應義塾大学医学部卒業、医師として東京慈恵会医科大学病院リハビリテーション科勤務を経て、クリニックでの診療と産業医業務を行う。勤務医時代に、エッセーや論文のコンテストでの受賞などをきっかけに執筆活動も開始し、健康に関するテーマで著書や監修書は多数。日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本人間ドック学会人間ドック健診専門医、日本リハビリテーション医学会専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本体力医学会健康科学アドバイザー。

*本稿は、医療情報サイト「時事メディカル」からの転載である。

文=福田千晶

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