主力ブランド「AWESOME STORE」を中心に、全国にオリジナル生活雑貨の直営店を展開しています。「暮らしをデザインし、生活に夢を与える」というビジョンのもと、魅力ある商品開発および店舗開発を推進しながら、上質で豊かなライフスタイルを提案していく、というのが私の創業からの願いであり、目標です。おかげさまで国内の直営小売店は61店舗を数え、今後は海外への出店も計画しています。
私は自他共に認める多趣味でして、インドアもスポーツも大好き。であるならいっそのこと趣味を楽しめる理想の家を建てようと思い立ち、ジム、ゴルフのシミュレーションルーム、ギター演奏や歌を楽しめるカラオケルーム、油彩アトリエ、妻専用の庭付き書斎のある家を新築しました。
なかでもいちばんの趣味は、油絵を描くことです。絵を描くことは、私の人生そのもの。というのも、店で販売する雑貨はすべて私がデザインをチェックしているし、店内の外装や内装もすべてプロデュースしている。それは真っ白いキャンバスに絵を描くのと似ていて、平面ではなく立体的に作品が立ち上がっていくだけの話。趣味とビジネスは分かち難いものなのです。
私は絵描きを目指していたのですが、東京藝大に不合格となり、その挫折を乗り越えようと渡米を決めました。資金をためるためにアパートを解約し、寝袋を買いに行って、その日から代々木公園が自宅に(笑)。仕事は日雇い労働です。大久保駅近くの公園や山谷の公園に行って仕事を得るのですが、日雇いの業者というのは元気で体力がありそうな若者からピックアップする。当時の私はいちばん人気でした。
50万円がたまったところで寝袋と辞書とTシャツ3枚をナップザックに詰め、いちばん安い航空券を購入し、いざロサンゼルスへ。着いた翌日から仕事を探し、電話では埒らちが明かないので、直接訪問してつたない英語で訴え、ようやくリカーショップの仕事にありつきました。
日常会話は半年でできるようになり、1年後にはマネジャーに昇格。オーナー曰く「俺が見ているかぎり、お前は一度も盗んでいない。信用できる」とのこと(笑)。まさに「泥棒は家にいる」で、従業員がお金を盗むのが日常茶飯事でしたね。
21歳から25歳までの米国滞在4年間は、得難い経験がたくさんあります。例えば、店に押し入った強盗に拳銃を向けられたことも。レジから引き出しを抜き取ってお金ごと床にぶちまけたおかげで命拾いしましたが、いまでも夢でうなされます。またこの事件をきっかけに不法滞在がバレて、刑務所に収監されました。
しかしオーナーが約300万円の保釈金を払ってくれたうえ、日本食レストランのコックというスペシャリストの肩書を与えてくれ、労働ビザも取得できました。その後、ありえないほどたいへんな道のりではあったものの、米国永住権も取得できました。
このころから私のモットーは「決して悲観しない」です。挫折しようが失敗しようが、それらは必ず人生の肥やしになる。次に「思い立ったが吉日」。すぐに行動することで、情熱は必ず相手に伝わるのです。