日本の日焼け止めは国際的に大丈夫? 海のために考えた選択を

Pattarisara Suvichanarakul / EyeEm


世界の海には約25万種の生物種が棲んでおり、人間もそうした地球の恩恵に与っている。生態系のバランスという間接的な影響から、食料のような直接的な恩恵まで含めて、現在の人類の生活があるだろう。この25万種のうち、なんと3分の1にあたる9万種が珊瑚礁にいる。海全体のなかで珊瑚礁がしめる割合はたった0.3%。そのごくわずかな領域に、すべての海の生物種の約3分の1が依存しているのだ。



つまり、少しでも珊瑚が死んで珊瑚礁が崩壊すると、瞬く間に海のエコシステムが崩壊していく。プラごみ問題でもわかるように、海は繋がっており、メトキシケイヒ酸エチルヘキシルはたとえ湘南で使っても流れて珊瑚礁にたどり着いてしまうのは明白な事実なのだ。

夏の行楽で、そして海外で、珊瑚礁の近隣の海にいくこともあるだろう。日本だと沖縄や小笠原はその典型である。日焼け対策が気になるのは当然だが、まずは正しい日焼けクリームを選ぶことだ。

選ぶ基準は、オキシベンゾンや「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」が入っていないこと。「ナノ粒子でない」酸化亜鉛などのクリームにすること。そしてそれよりも、長袖やラッシュガード、パラソルを積極的に利用するなど、化学的な日焼け対策に極力頼らないのが自然に優しいというのも覚えておきたい。

個人的には海辺で育ったので、日焼けした女性は魅力的で可愛いし、日焼けした小僧たちは子供らしく元気でいいなと思う。適度な日焼けという犠牲は、同じ生物圏で生きていくには必要かもしれない。珊瑚礁は美しいだけではなく、この地球の大きな一部の構成要素なのだから。

連載:オトコが語る美容の世界
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文=朝吹 大

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