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新型コロナウイルスの新規感染者が急増している英イングランドで7月19日、感染拡大を防ぐために課されていた行動規制がほぼ撤廃された。

イングランドではこの日、「フリーダムデー(自由の日)」を祝おうと、ナイトクラブに大勢が集まって大騒ぎし、ボリス・ジョンソン首相は感染が確認されたサジド・ジャヴィド新保健相の濃厚接触者であるにもかかわらず、自主隔離を逃れようと画策していた。

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同国の主要紙は、この規制解除のタイミングを強く批判している。デイリー・テレグラフ紙は同日、「フリーダムデーの茶番」と題した記事を一面に掲載。ジョンソン首相に加えてリシ・スナク財務相も、保健相との濃厚接触による自主隔離を免れる策を練っていたとして、国民から厳しい非難を浴びていると伝えた。

また、デイリー・メール、デイリー・テレグラフ、サンなどその他の各紙は、感染者との接触と自主隔離の必要性を知らせる「接触確認アプリ」の通知音を意味する「ピン(ping)」と、大流行を指す「パンデミック(pandemic)」からなる造語「ピンデミック(pingdemic)」を使い、「ピンが大流行する」と警告している。

国民保健サービスが(NSH)などが運用しているこのアプリについては、自主隔離が必要になる従業員が急増して人員確保が困難になり、店舗が閉鎖に追い込まれるなど事業に支障が出る恐れがあるとして、ビジネス界からシステムの変更が求められている。

ツイッターでは同日、「#Covidiots(Covid19+idiots、新型コロナウイルス感染症+ばか者)」「#FreeDumbDay(Free+Dumb+Day、自由な間抜けの日)がトレンド入りした。

一方、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドでは引き続き、マスクの着用やソーシャルディスタンスの確保といった行動制限措置が講じられている。

接種戦略は「成功」したのか?


英国では現在、新規感染者のほぼ全員が、感染力の強まった変異株の「デルタ株」に感染している。1日あたりの新規感染者数はおよそ5万人だ。それでも入院者数と死者数が比較的少ない数にとどまっていることから、政府当局は「ワクチン接種戦略の成功を示すものだ」として、現行の方針を擁護している。

一方、専門家らは、これによって今後、何百万もの人々が感染とその後の後遺症に苦しむことになると警鐘を鳴らしている。特にワクチン未接種の未成年者が、何年も続く可能性もある後遺症に悩むことになると指摘している。

また、政府の諮問機関であるワクチン・予防接種合同委員会は、12~17歳については、ワクチンの安全性を示すさらに多くのデータが確認できるまで、「本人または同居する家族に重症化の危険がある場合に接種を推奨する」との立場を取っている。これに対して公衆衛生の専門家らは、「集団免疫が獲得できる時期が遅れることになる」との懸念を示している。

編集=木内涼子

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