日常を非日常にする「ホームパーティー」 コロナ禍での変化は

ホームパーティーの真価とは?(Shutterstock)


エリアごとの情報格差がないのも注目すべき点です。おしゃれな店が近隣にない地方でも、家で素敵なホームパーティーを開けば都会のインスタグラマーに負けません。スタイリングやフードのお手本の再現においても、非常に良い環境が近年整いました。

以前からパーティーグッズを扱っていたロフトや東急ハンズだけでなく、コストコ、IKEA、フライングタイガーなどの外資系大型店も増え、全国区のニトリやダイソーなどのプチプラショップの商品もどんどんスタイリッシュになりました。真っ白な紙皿や透明のプラスチックカップから一変、デザインにもクオリティにも目を見張ります。

いままで地方では入手しづらかったパーティーアイテムも、楽天やAmazonですぐに届きますし、ハンドメイド通販サイトやメルカリでは、テーブルの上におくメニューカードや、壁面に飾りつけるクラフトなど、パーティー向けのアイテムが沢山出品されています。

全てがホームパーティー市場を後押ししている世間の空気。私は、今後ホームパーティー文化が低迷する要素は何もないと豪語していました。そう、コロナ禍に突入するまでは、です。

コロナ禍で生まれた新たなホームパーティーの形


不特定多数との会食、会話、お酒、密閉した空間。コロナ禍においてホームパーティーはリスクが高まり、開催できなくなりました。これはやむ得ません。永遠のホームパーティー繁栄宣言をしていた私も、商品発表会イベントやメディア出演などが全てキャンセルになり、これはとんでもない状況になったな...…と青くなりました。

しかしこの機会にコロナ禍の後のホームパーティー業界の予測を徹底してやろうと、日々リサーチを行い、ホームパーティー好きの方へのディープインタビューをトータルで100人以上、1年半の間に繰り返しました。

インスタグラムではホームパーティー関連の投稿は激減しました。しかしホームパーティーは形を変えて行われています。ではそれはどんなものなのでしょうか。ディープインタビューを繰り返して見えて来たのは、家族との「ステイホームパーティー」です。

一般社団法人日本ホームパーティー協会が2020年末の緊急事態宣言下で行った調査では、回答者402名のうち、61%の方が外食よりも同居する家族だけのパーティーにお金をかけたいと回答しています。淡々と閉鎖的に過ぎていく息苦しいステイホーム中の日々のささやかな楽しみとして、家族との小さなホームパーティーをする「ステイホームパーティー」は確実に存在していると実感しました。

ホームパーティー
(Shutterstock)

最初の緊急事態中には台所の断捨離をしている方が多く、冷凍庫の片隅にあるふるさと納税のお肉や溜め込んでいた調味料、通販でなんとなく買ったケーキ皿や一度もテーブルに載せたことのないお鍋などを活用したさまざまなスタイルの「ステイホームパーティー」の形が見受けられました。

また、自炊をする必要性からレシピサイトで料理を学ぶ方が多く見られたように、コロナ禍を機にオンライン化したホームパーティー検定取得講座の受講人数も、約3倍に増えました。
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文=高橋ひでつう

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