日常を非日常にする「ホームパーティー」 コロナ禍での変化は

ホームパーティーの真価とは?(Shutterstock)

コロナ禍のステイホームにより、人々の意識はより内に、より近い半径での楽しみを充実させることに向けられるようになった。そうした需要を取り込み、「家」という日常空間で非日常を体験するための「イエナカ需要」市場の開拓が進んでいる。

日常の中の非日常、そのわかりやすいイベントは「ホームパーティー」ではないだろうか。近年では顧客や企業同士の接点を生む新たな場づくりとして、ホームパーティーを推進する団体も存在する。最新のホームパーティー事情を紐解いて見えてくるものとは──。

一般社団法人日本ホームパーティー協会会長で、ホームパーティー研究家・ピクニック研究家として活動する高橋ひでつうが、ホームパーティー関連市場の動向について語る。


私はホームパーティー研究家やピクニック研究家として、メディアでノウハウやトレンドについてお話させて頂いたり、関連商品の開発やマーケティングのコンサルティングを行なっています。本稿では前半と後半に分けて、コロナ禍での今後のホームパーティー文化や関連市場の動向について、私のフィールドワークから得た知見をお伝えします。

まず、ホームパーティーとはなんでしょうか?

私はホームパーティーを「日常を非日常にすること」と定義しています。

いつもより腕によりをかけた料理、話題のお店で購入してきた美味しい食べ物や飲み物、素敵なテーブルスタイリングや室内装飾、ちょっとおめかしをしたパーティーファッション……そんなゴージャス路線から、いわゆる家飲みでも、お取り寄せを加えたり、夫婦二人の時間にお気に入りのワインをプラスアルファしたり、友人と缶チューハイ片手にたこ焼きパーティーでワイワイなカジュアル路線でも。普段の食卓の光景を少しだけでも非日常に変えれば、立派なホームパーティーです。

プロセスもシェアできるという魅力


ホームパーティーはセンス次第でローコストで楽しめる、衣食住全ての要素を取り入れたコンテンツとして、近年SNSの隆盛、特に「インスタ映え」の大きな追い風に乗りマーケットが成長したと思います。

インスタグラムとホームパーティーは、抜群の相性を持つコンテンツです。おしゃれなカフェやレストランにいっても、おしゃれだった、おいしかった!という投稿一枚でおしまいですが、ホームパーティーでの「いいね」のチャンスは、当日だけではありません。

ステイホーム
(Shutterstock)

ホームパーティーのためにこんなものを買った、料理の下拵えをした、花を選んだなど、メイキングを見せていく過程にも「いいねポイント」がとても多い。メイキングの可視化によって、おしゃれさや美味しさを生み出すノウハウはハッシュタグなどを通じて拡散していき、それらを参考にテーブルスタイリングやパーティーフードの新たなトレンドがさらに確立されていくスパイラルが生まれていました。
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文=高橋ひでつう

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