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2021.07.23

業績好調のリーバイス 共感される「マーケティング」とは

Getty Images

ジーンズのブランド「リーバイス」で有名な米リーバイ・ストラウスは、5月30日までの2021年上半期の業績を発表。純利益が前年比で198%増、売上高も29%増だったことがわかった。

第2四半期が予想以上に好調で、新型コロナウイルス感染症によって店舗が閉鎖されていた2020年を大幅に上回ったかたちだ。

リーバイ・ストラウス会長で最高経営責任者(CEO)のチップ・バーグは、「第2四半期にかなりの勢いがつき、あらゆる地域と販売チャネルで売上回復が加速し、成長を達成した。これは当社ブランドの強さの表れだ」と述べている。



リーバイスが発表した決算報告書によると、売上高は13億ドルで、2020年第2四半期比で156%増加。また、米国と中国の売上高は2019年第2四半期を上回った。

売上総利益が58.8%と記録的になった要因は、D2C(Direct to Consumer)による売上の増加や、値上げ、外注の抑制、広告費の削減、正規価格での販売増加によるものだ。第2四半期では、総売上に占めるD2CとEコマースの占める割合が、それぞれ29%と8%だった。

AIへの継続投資で成果


リーバイスでは、デジタル、データ、人工知能(AI)を活用して、顧客行動の理解を深め、買い物体験を向上させている。

バーグの説明によれば、AIを使った需要予測をもとに、実店舗やEコマースの品ぞろえや商品配分が計画されている。そうしたテクノロジーの活用によって、正規価格での販売が増え、適切な在庫管理とコスト削減が実現している。総在庫は前年同期比で12%減となった一方で、利益率が高くなり、正規価格による販売が増加したことで、少ない在庫での増益となった。

同社幹部は業績発表で、Eコマースが前年同期比で42%増だったことと、デジタルチャネル全体を通じた売上高が75%の伸びを見せたことを明かした。総売上に占めるデジタル占有率はおよそ23%だった。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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