7月16日のハリウッド・レポーターによると、この件はSEC(米国証券取引委員会)への提出書類で明らかになり、AMCとダラボンはまだコメントを発表していない。「ショーシャンクの空に」や「グリーンマイル」で知られるダラボン監督は、「ウォーキング・デッド」の第1シーズンと第2シーズンの半分を担当しただけで解雇されたが、彼は自分がシリーズの立ち上げに大きく貢献したことから、それ以降のシリーズの収益からも報酬が支払われるべきだと主張していた。
ダラボンは当初、3億ドルの支払いを求めており、彼の主張のすべてが認められた訳ではないが、それでも彼は2億ドルという大金を手にすることとなった。
ドラマの配給を行うAMC Networksの昨年の売上は28億ドルで、同社は2億ドルの支払いで倒産するような会社ではない。AMCは、原作のコミック版「ウォーキング・デッド」の作者であるロバート・カークマンとの間でも、同様の訴訟を抱えているが、今回ダラボンとの間で成立した和解は、他の訴訟に影響を与えないという。
2010年から続く長寿シリーズ
ところで、「ウォーキング・デッド」の話をすると、「まだ続いているのか?」という反応がよく返ってくる。2010年に始まったこのシリーズの視聴率は、たしかに5〜6年前の水準からは落ちているが、AMCのコンテンツの中では最高視聴率を記録した作品であり、今後もAMCのブランディングには欠かせない存在だ。
今後のシリーズの行く末について言うと、現在のメインシリーズはあと1シーズンを2年間をかけて公開し、原作コミックの終わりに到達する可能性が高いとされている。その後、キャロルとダリルに焦点を当てた新たなスピンオフ作品が登場し、それが新たな「メイン」シリーズとなる可能性がある。
シリーズ自体の終了はまだ決まっておらず、別のシーズンが制作される。「ウォーキング・デッド ワールド・ビヨンド」は20話の限定シリーズだが、他のスピンオフ作品が登場する可能性もある。リック・グライムスのソロ映画は引き続き制作中で、来年か2年後には公開される見通しだ。要するに、「ウォーキング・デッド」は、いくつかの異なる形態に変化しつつ、今後もずっと生き延びていくのだ。
ダラボンとカークマン、AMCの間での争いは議論を呼ぶものではあるが、既存のシリーズの計画や予算に影響を与えるものではない。筆者はこれらの訴訟の詳細や法律について十分な知識を持たないが、いずれにしても注目すべき動きであることは確かだ。今後も「ウォーキング・デッド」の最新動向を注視していきたい。