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(4)保護者は自分の経験を押し付けない


ここまでは、保護者が子供に医学部受験に関する何らかの働き掛けをすることについてお伝えしました。最後は、逆に何もしないことついてお話しします。正確に言えば「あたたかく見守り、追い込まないこと」についてです。

昔からよくあることですが、受験が近づくに連れて受験生よりも保護者の方が神経質になってしまい、受験生が家庭での居場所を失い、中には医学部進学を諦める場合もあります。保護者の神経質な状況は、ほぼ子どもに伝わっていると考えていいでしょう。

まず、保護者は医学部を受験するのが子どもであることを自覚し、規則正しく日々の生活を送れるように充実させることが何よりも大切なことです。アドラー心理学では「課題の分離」で説明ができます。

模試の成績が振るわない場合は、保護者として何か一言二言、子どもに言いたくなるのが常です。もし、本当に本人が医学部を目指しているのなら、当の本人が一番悩んで反省をしている可能性も高いです。

志望校選択や模試成績の結果分析、勉強方法について、今後にプラスとなる具体的で的確なアドバイスをできる保護者はほとんどいないと思います。また、保護者の中には自分が受験生だった頃の話をして、子どもとの溝を広げる人もいます。

(1)の「保護者が現在の医学部受験の知識を持つ」でお伝えした通り、受験を取り巻く状況は変化しています。模試成績の分析や勉強法などの専門的な指導は、高校や予備校の先生の役割となり、先生と保護者が連絡を取り合うことで、物事が円滑に進むことが多いように感じます。ほとんど医学部進学者のいない高校に通っている場合は、医系予備校の先生の指導が必要になります。

毎年、医学部に合格をした生徒に「保護者がやってくれたことで感謝していること」を尋ねると、多くの生徒が「毎日の手作りの温かい食事」や「夜食の準備」「予備校への送り迎え」「朝起こしてくれたこと」などを口にします。特に、受験期直前はとてもデリケートな時期のため余計なことを言わず、「あたたかく見守り、追い込まないこと」が、受験期を親子で乗り切る最良の方法ではないかと思います。

*本稿は、医療情報サイト「時事メディカル」からの転載である。

文=山本雄三(医系専門予備校メディカルラボ)

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