わが子の進路を「医学部」に導きたい? 親がとるべき4つの秘策

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お金を掛けずに保護者ができる4つのこと


保護者として何ができるのかをお伝えします。

(1)「保護者が医学部受験の知識を持つ」

(2)「医療・医学に関する情報を日常生活に取り入れる」

(3)「オープンキャンパスに参加する」

(4)「保護者は自分の経験を押し付けない」

他にもありますが、お金や時間をそれほどかけずにできることを4つだけ並べてみました。この4つについて少し解説をします。

(1)保護者が医学部受験の知識を持つ


まずは、昔より格段に医学部合格が難しくなっていることを、保護者は理解する必要があります。特に私立大学医学部では、どこも偏差値65を超えるほどに難化しています。これは、早慶の理工系学部と同等かそれ以上に難しいと考えてください。昔のように「国公立がダメなら私立」はほとんど通用しません。

受験システムも変化しており、学力以外にも戦略が必要となります。例えば、受験校選択や受験する大学数、受験日程や試験方式などは、とても複雑化しており、これらが大きく合否に影響します。推薦入試なども保護者の時代とは大きく変化しています。共通1次もセンター試験もありません。幾つかの私立大学は、6年間の総学費が国公立大学に進学するよりも安くなる場合があります。

これらの医学部受験に特化した知識や情報は、受験情報誌や予備校の講演会・ネット情報で収集できます。また、大型書店やアマゾンなどで検索すれば、医学部受験に関する書籍がたくさん発行されています。

私が勤務する医学部専門予備校では、年に4〜5回、医学部志願者とその保護者向けの講演会を全国で実施しており、保護者の参加数が大半を占めることもしばしばあります。

医学部受験は保護者も一緒に考えなければならない時代になったと言っていいでしょう。

親子で受験の話をする時に、保護者に受験の知識や情報があることは、子どもにとっても頼もしいと感じることでしょう。子どもに「医学部のことを何も知らないくせに、勉強のことばかり言って!」と思われないようにしなければなりません。

(2)医療・医学に関する情報を日常生活に取り入れる


子どもが医療へ興味を持つためには、幼い頃から何らかの方法で医療と接する機会をつくることが必要となります。

私が子どもの頃と比較して、テレビで医師を主人公にしたドラマや医療を題材にしたドキュメンタリーが頻繁に放映されています。ここ最近だと「コード・ブルー」や「ドクターX」「医龍」「A LIFE」など高視聴率のドラマは記憶に新しい人もいると思います。私は「Dr.コトー診療所」を見て、離島医療について学びました。

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長期の人気を誇るドラマ「ドクターX」の出演者(時事通信社より)
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文=山本雄三(医系専門予備校メディカルラボ)

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