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わが子に医学の道へ進んでほしいと願う親の中には、「息子はサッカー選手になりたいようだ……」など、最初の段階で悩みを抱える人も多くいるだろう。また、「1人娘だが、病院を継いでもらわないと……」など、開業医の後継者問題も深刻だ。

わが子の関心を医学部進学に向けるためには、どうすれば良いのか。逆効果にならず、自発的に関心を持たせるために、親ができる最良の手段は。

医学部受験のスペシャリストである医系専門予備校メディカルラボ 情報研究所所長、山本雄三氏は「なによりも子ども自身に、『医師になるのだ!』という強い気持ちが大切」と指摘する。

氏の見解を、以下医療情報サイト「時事メディカル」からの転載で紹介する(文=医系専門予備校メディカルラボ 山本雄三)。


医師志望を考える時期は早い方がいい


医師になるためには、大学受験の中では最難関といってもよい医学部へ合格しなければなりませんが、それ以前に子ども自身が「医師になるのだ!」という強い気持ちが大切です。まずはここが第一関門でしょう。

「医師になりたい!」という気持ちが強ければ強いほど、これがモチベーションとなって受験勉強にも力が入り、合格可能性が高まることは、これまでの生徒指導の経験上、とても感じています。     

高3に進級してから、または浪人してから、「医師になりたい!」と思っても遅いかもしれません。高2や高3に進級する時に、文系クラスを選択した後に後悔をする人もいます。

昨年、私が授業を担当した浪人生で、文系クラスに進学した生徒がいました。進学校に通っていた彼女は、文系クラスでは常に成績は上位でした。ところが、高3の夏休み頃に医学部に進学したいと思うようになり、独学で数学Ⅲや理科の勉強をしましたが、医学部は全て不合格となり1年間の浪人生活を余儀なくされました。

この1年間は、医学部入試で求められる受験数学の得点が伸びず、受験直前まで苦労をしていました。英語が得意だったことと、途中から彼女の学力特性に合った私立大学に目標を定めたために、何とか2大学の最終合格をつかむことができました。

このような場合には、通常だと2年以上の浪人生活を送るケースが多いです。もし、文理選択で理系を選択していたら、第1志望の国立大学医学部に合格していた可能性は高いと思います。

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とにかく現役で医学部に合格をするためには、早ければ早いほど、医師を目指す決意をした方がいいと思います。

私は今もある医系専門予備校で面接授業を担当していますが、最初の授業で「医師になりたいと思い始めた時期」について質問をします。小学生の間に将来は医師になることを考えていた生徒が多くいます。昔は、保護者が医師で、その仕事をする姿に影響を受けた生徒が多かったと思いますが、今は保護者が一般家庭の場合も多くあります。

また、医学部への合格実績が高い高校に通っている場合に、周りの友人の影響を受けて医師になりたいと考える生徒もいます。高校の中には、定期的に職業選択に関する講演会を行なっていて、私も年に数回は全国の高校からの依頼を受けて、医学部をテーマにした内容で講演をします。これに刺激を受けて医学部を意識するようになる生徒もいるようです。

さて、保護者から子どもへ「医学部に行け」「病院を継げ」と口癖のように言うことは、逆効果になる可能性が高いことは想像できるかと思います。

文=山本雄三(医系専門予備校メディカルラボ)

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