日本での起業家の扱いに疑問を感じる
10数年前と比べると、日本もスタートアップを取り巻く環境がかなり改善されてきている。投資家やサポーターも増えたし、上場する会社の数も右肩上がりだ。起業家のイメージも爆上がりだろう。
その一方で、上手くいかなかった場合のセーフティーネットはまだまだ足りない気がする。場合によるが、敗者としてレッテルを貼られたり、借金を背負わされたり、就職先がなかったり、社会的に葬られたりすることもまだある。参考:東京でスタートアップイベントに参加して感じた事
日本とシリコンバレーにおけるスタートアップを取り巻く状況
もう一つ考えなければいけないのは、スタートアップを取り巻く状況だ。特に日本だと、まだまだその状況は良いとは言えない。もちろん以前よりは改善されているが、決して恵まれているとは言い難い。
下記は、経団連副会長の南場智子氏による資料の抜粋になる。
これを見てもわかる通り、サポートは少なく、リスクとリターンの割りが良くないことから、依然として負の循環が起こっている。参考:日本からグローバルなプロダクトが生まれにくい5つの理由
一方でこれがシリコンバレーの場合は、下記のようなポジティブサイクルが生まれていると考えられる。
起業家に対する3つの勘違いと、たった1つの真実
そもそも、ここで基本的なポイントとして、”なぜ”起業するかを考えてみよう。というのも、実は多くの人が誤った目的で起業しているからだ。
起業目的として、よく聞くのが 1. お金を儲けたい、2. 決定権が欲しい、3. 自由になりたい。である。しかし、これはらすべて間違っている。
勘違い1: お金を儲けたい
起業する目的の中でも最も多い理由の1つ。特に最近だと、ユニコーン企業や大型IPOでファウンダーが大金持ちになるニュースを見る事もあり「自分も一発当ててやろう」という思いで会社を興すケースもある。しかし、もしそれが目的なのであれば、やめた方が良い。そもそも自分で会社を始めるのはワリに合わない。新しいビジネスの実に、95%から99%が失敗すると言われる中で、金儲けを目的に起業するのは、単純にROIとしての計算が合わない。
そもそも、計算が苦手なら起業するのにはあまり向いていないし、もっとお金が欲しいという理由なのであれば、待遇の良い仕事に就いた方がよっぽど目的が達成されやすい。